「騎兵が戦車に突撃」はウソだった? 実は“超精鋭”なポーランド騎兵の真実 現在進行形でまさかの“復活”も

「ポーランド騎兵がドイツ戦車に無謀な突撃を行った」という話は、第2次世界大戦の有名な逸話ですが、実はプロパガンダでした。近代兵器で武装した精鋭部隊だったポーランド騎兵の実像に迫ります。

そして「騎兵」は現代に復活?

 2022年2月24日、ロシアが「特別軍事作戦」と称してウクライナに軍事進攻を開始します。この戦争は5年目に突入して第二次大戦の独ソ戦よりも長くなってしまいましたが、従来型の機甲戦から対戦車ミサイル、無人機、精密誘導兵器と次々に新兵器と新戦術が登場しています。この戦場環境の激変は、第二次大戦時の戦車の異次元的進化を彷彿とさせます。

 その変化の一つが、騎兵の復活です。公式に確認されたわけではありませんが、ロシア軍が乗馬歩兵を使っていることは確かなようです。

 ロシアメディアは馬について、地表の異物に敏感で地雷を回避しやすい、車両に比べて音は静かで発熱量も少ない、夜間視力に優れる、方向感覚を持ち危険を避けて自律的に移動できる――などの「利点」を挙げ、「21世紀の戦場における伝統的な戦術」「創意工夫」としてプロパガンダさえしています。西側では「最新鋭戦車から4年で騎兵に移行して勝利できるのか」と揶揄しています。

 現代戦は宇宙領域の衛星コンステレーションまで駆使する最新技術のマルチドメイン戦だと謳われる中で、実際の戦場で兵士は、ドローンに怯えて空を見上げながら馬に乗って移動しています。ウクライナ軍のドローンオペレーターは馬を殺すのを躊躇し、ドローンの音で威嚇して馬を驚かせてロシア兵を落馬させ、人間だけを攻撃するという「新戦術」を開発したといわれます。これこそ技術進歩の歪みに翻弄される寓話です。

「騎兵がサーベルを煌めかせ、戦車に突撃した」物語は事実ではなく、実際は「最新技術は常に正しい」という安心感を与える寓話だったのかもしれません。現実は、技術が進歩するほど、戦争はむしろ原始的な要素、地形、人間、即席の工夫に引き戻されていきます。そして倒錯した寓話がまた生み出されています。

【精鋭】当時のポーランド騎兵やドイツ軍戦車(写真)

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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