8両編成なのに「前4両は乗れません」なんで⁉ 高蔵寺駅で発生する“車両封鎖”の謎 きっかけは万博
平日夕方の高蔵寺駅に現れる、前4両のドアが固く閉ざされた「半分乗れない8両編成」の直通電車。なぜわざわざ車両を封鎖するのでしょう。次の駅へ向かうと、かつて開催された「愛知万博」が残した意外なホームの秘密がありました。
理由は愛知万博? 上下線でホームの長さが違う奇妙な駅
ドアカットを実施する理由は次の中水野駅で判明します。こちらは高蔵寺駅と比べてホーム長が格段に短く、前方4両がホームからはみ出してしまうのです。
とうぜん、ホームがない前方4両からは乗り降りできないので、乗客の利用を円滑(安全)にすべく、あらかじめ高蔵寺駅でドアカットを行っているのです。また、ドアカット中は車内の案内表示器でも後方4両のみが表示されるなど、特殊な見せ方となっています。
なぜ、中水野駅はこれほどホームが短いのでしょうか。それは、愛知環状鉄道線で運用されている電車が2両か4両編成しかないからです。そのため、ホームの長さは4両の電車を受け入れられれば十分です。しかし中央本線から直接やってくる315系の電車は8両固定編成です。そのためドアカットという方式で運行されているのです。
なお、終点の瀬戸口駅のホームは8両編成の電車が止まれるため、このドアカットは中水野駅と瀬戸市駅で行われています。
ただ、面白いのが平日朝に運行される瀬戸口発名古屋行きの電車です。こちらも同じ8両編成の電車が使われますが、ドアカットは行われません。これは中水野駅も瀬戸市駅も名古屋・高蔵寺方面行きのホームには8両分の電車が止まれる長さがあるためです。
実は中水野駅と瀬戸市駅はもともと単線として運用されていました。しかし2005年の愛知万博の際、輸送力強化を目的に複線化されます。前出の2駅の瀬戸口方面側(下り)のホームはこの時に設けられましたが、愛知環状鉄道の基本編成に合わせて4両分の長さで造られたため、双方の駅とも進行方向によってホームの長さが異なるという特殊な構造になったのです。
さまざまな事情が絡んだ結果、高蔵寺駅のドアカットが見られるのは平日夕方に限られています。レアな光景ですが、ドアカットの準備作業そのものは5分程度かかるため、電車好きな方はじっくり見て楽しめるでしょう。
Writer: 鈴木伊玖馬(乗りもの好きライター)
愛知県生まれ。飛行機が好きで航空博物館などを取材するうち、自動車関係の記事や取材も手がけるようになる。ホンダ「シビック Type R」のようなホットハッチが好み。





本文を読んでも理解しづらい方のために補足申し上げれば、万博輸送中はJRから10両編成が乗り入れしましたが高蔵寺から万博中央駅まではノンストップとしたため、途中駅のホーム長さは問題となりませんでした。その後の4両での乗り入れ運転が再開されて徐々にホーム拡張がされてきたんですね。
名古屋から乗って、高蔵寺駅でアナウンスがあっても自分が何両目に乗っているか車内で確認する方法がなくて移動が必要なのか否かわからなくて困った思い出