0系新幹線の「鼻のナカ」何があるか知ってますか? 今だから話せる「新幹線の頭脳」の意外な使われ方 「パイプ椅子があってね」

初代新幹線車両の0系新幹線。愛らしい丸みを帯びた「団子鼻」と、航空機のように高い位置にあるコックピットの裏側には、一般の乗客が決して知ることのない特別な空間が隠されていました。

「運転士のラブロマンス」の舞台!?

 じつは、にわさん自身も、ボンネット室の“客”の一人だったとか。

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国鉄時代に東海道新幹線の運転士だった頃のにわあつしさん。車高3975mmの0系新幹線の前で。このボンネットの中に小さな「運転機器室」があった

「静岡に住みながら東京まで出勤していたので、運転士になる前に整備士だったときには頻繁に『こだま』のボンネット室に入れてもらって帰ったりしていました。ただ、当時の国鉄は労働組合のつながりが強く、同じ労働組合同士なら融通を利かせてくれたり、ほかの労働組合員には厳しかったりと、自由に乗れる場所という感じでもなかったですね」

 また、ボンネット室のパイプ椅子が、意外なことに役立ったこともあるそうです。

「私が乗務していた昭和の0系新幹線には、まだ車内販売はもちろん、食堂車もビュッフェもありました。運転士も2人体制で東京~新大阪間を交代しながら運転していた時代です。運転中の楽しみが、車内販売の女性スタッフからのドリンクサービスでした。運転台にコーヒーやジュースを届けてくれるんです」

 そこでお礼として、ボンネット室のパイプ椅子を左右の運転席の間に置き、しばし運転台からの景色を見せてあげたりしていたのだそうで、「流れる景色が『ジェットコースターみたい!』とビックリしてくれましたね」と語ります。

 そのような運転士時代の体験を、にわさんは原作者として『世界最速の誇り! 昭和の0系新幹線物語 元運転士が語り継ぐ 最後のぽっぽや達の裏話』という電子マンガにまとめています。その第1話「運転士のラブロマンス」は、このボンネット室が舞台だそうです。

「同僚の車掌から噂で聞いたトラブルなどもまとめてマンガにしています。密室になってしまうボンネット室ですから、噂に聞くと、好きになった車内販売スタッフを連れ込んでしまう運転士もいたそうです」とのこと。

 マンガのストーリーはフィクションですが、運転士として乗務していたからこそ経験した0系新幹線の姿や、見たり聞いたりした昭和の新幹線の運転士事情を、「これからもマンガとして残していけたらと考えています」とにわさんは話します。

【画像】「団子鼻」のなかはこうなっていた!こう使われていた!(マンガで読む)

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