1機16万円で迎撃! 実戦で鍛えられた「コスパ最強兵器」は戦場を変えるか 米国防総省も熱視線、「現代戦」の新常識
現代の戦争では安価なドローンの脅威が増大していますが、迎撃コストの高さも問題となっています。この状況を打破するカギとして、ウクライナが実戦で培った低コストの「迎撃ドローン」技術にアメリカが注目しています。
アメリカもイラン由来?の自爆ドローンを実戦投入
この技術にアメリカが強い関心を示しています。国防総省はウクライナ製の迎撃ドローンの導入を検討しており、現代ドローン戦のノウハウについても協力を求めています。かつてウクライナは、防空システムを「求める側」でした。しかし現在では、ドローン技術を「提供する側」へと立場を変えつつあります。
アメリカも、この新しい戦争の様相に適応し始めています。その象徴が、対イラン戦争で初めて実戦投入された「LUCAS(低コスト無人攻撃システム)」です。
LUCASはイランのシャヘドをリバースエンジニアリングした自爆ドローンであり、「高価で高性能」中心だった従来のアメリカ軍の発想とは異なります。ドローン戦争では、「安価で大量」という価値観が急速に重要性を増しており、アメリカも発想の転換を求められています。
さらに重要なのは、技術進化のスピードです。ロシア・ウクライナ戦争では、ドローン戦や電子戦の技術が月単位どころか数週間単位で更新されていると指摘されています。新技術も「6週間で陳腐化する」ともいわれます。
ロシア側もこの迎撃ドローンの対抗策を開発しており、より高速な攻撃ドローンの投入が進んでいます。防御と攻撃のいたちごっこは加速しています。
ウクライナはドローン戦の「実験場」であり、同時に「教科書」でもあり、膨大なドローンの実戦データを蓄積してきました。研究所の机上ではなく、戦場で血を流して得た貴重な「資産」です。ウクライナはこの資産を経済的・政治外交目的に活用することを企図しています。すでにサウジアラビアなどがウクライナ製迎撃ドローンの導入を水面下で交渉しているとも報じられています。
3月25日にワシントンで開催されるあるシンクタンクのシンポジウムにウクライナからドローン部隊指揮官や専門家が招かれ、現代ドローン戦争の状況について説明を行います。シンポジウムのプレスリリースで「ウクライナの経験はアメリカとその同盟国にとって重要な教訓を提供します。これは今、イラン紛争においてアメリカと同盟国が必要としている教訓です」と述べられており、ウクライナが「提供側」であることをアピールしています。
公式には、ウクライナ政府はドローンの輸出を認めていませんが、大手メーカーであるスカイフォールは月に最大5万機の迎撃ドローンを製造でき、ウクライナの戦時需要を満たしつつ5千機から1万機を輸出できると述べています。
ロシア・ウクライナ戦争の結末は分かりませんが、少なくともウクライナとロシアはドローン戦の最先進国となることは間違いないでしょう。
Writer: 月刊PANZER編集部
1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。





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