漁船じゃない!? 漁港に停泊する「謎の灰色の船」の異様な存在感 水産資源を守るけど軍艦でも巡視船でもない?
九州の地方港に停泊する軍艦みたいな灰色船 その正体は自衛隊ではなく水産資源を守る重要な存在だった。
なぜ軍艦のように灰色なのか? そこまでして守る海の資源
これら取締船が軍艦のような灰色に塗られている最大の理由は、違法漁船からの視認性低下のためだと言われています。軍艦や軍用機に使われているロービジ塗装と同じ役割を持ちます。
行政船では白系の塗装も多いですが、それでは取締活動に相手から発見される可能性が高く、取締対象を逃す可能性が高くなります。灰色の船体は海や景色に溶け込むことで見えにくくなり、視覚的なステルス仕様ともいえるでしょう。
つまり、この取締船は、外見とその理由は軍艦を思わせる一方、任務は水産資源を守る行政船そのものなのです。
では、その様な特殊な取締船を保有している理由はなんでしょうか? その背景には、県の水産業を取り巻く厳しい現状があります。
現在、熊本県の水産業は非常に厳しい状況にあり、資源の低下による漁業生産は低下し、その回復のための「栽培漁業」や「資源管理型漁業」が進められています。その一方でルールを無視した漁業者間での操業トラブルや、悪質巧妙な漁業違反も後を絶たない状況にあるそうです。
日本は海に囲まれた島国であり、そこでは豊富な水産資源と活発な漁業活動があるものと連想します。しかし、近年の環境変化による資源減少や漁業関係者の減少などから、違法操業や密漁への監視の重要性も増しており、このような取締船の存在は、漁業秩序の維持という意味で必要不可欠なものといえます。
三角港に停泊する“ミニ護衛艦”のような灰色の船。その正体は、日本の海の恵みと漁業秩序を守る、最前線の行政船だったのです。
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info





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