夜行高速バスのパイオニア「ムーンライト号」なぜ運行休止? 「はかた号」の先輩

日本最長夜行高速バス「はかた号」につながっている「ムーンライト号」

 バブル期の1989年から1990年代前半にかけて、「ムーンライト号」は“黄金期”ともいえる時期を迎えます。

 1989(平成元)年から1990(平成2)年にかけては、兄弟路線である「サガンウェイ」(大阪~佐賀・唐津)、「ちくご号」(大阪~久留米・大牟田・荒尾)、「やまと号」(奈良・天理~福岡)、「山笠号」(神戸~福岡)、「きょうと号」(京都~福岡)が運行を開始したほか、1990年2月には「ムーンライト号」にノンストップ便、北九州止まり便(のちに筑豊地区に延伸)が新設されました。

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西鉄は「ムーンライト号」のほかにも、関西方面へ多数の夜行高速バスを運行していた。写真は京都線「きょうと号」(画像:須田浩司)。

 使用車両においても大幅な改善が行われ、1989年に導入された3代目の「ムーンライト号」専用車両では、西鉄とシートメーカーが共同で開発した夜行バス専用シートを採用したほか、同時にバスボディメーカーの西日本車体工業(現在は解散)と共同で夜行バス専用車体を開発。「ムーンライト号」に投入しました。シートと通路を仕切るフェイスカーテンなどとあいまって、最高水準の快適性を追求。「ムーンライト号」でつちかったノウハウは、のちに運行を開始した日本最長夜行高速バス「はかた号」専用車両の開発にも生かされました。

 これら施策が「ムーンライト号」の利用者増加につながり、最盛期には帰省シーズンに10台近くの続行便を従えて運行するといったことも珍しくありませんでした。

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コメント

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6件のコメント

  1. 夜行バスはやはり対東京の需要が突出している。ただそれだけ。

    • だからって、今回の休止とは何ら関係ない。

  2. あくまでも“休止”であると信じたい。

    そして、次に復活する時は夜行バスを運行する全事業者が倣うであろうものを引っ提げてきてくれるものと信じて。

  3. この記事の「1983(昭和58)年3月24日に阪急バス(現・阪急観光バス)と西日本鉄道(以下、西鉄)が」のところがおかしい。阪急観光バスは阪急バスの社名を変更したとか、そういうニュアンスの文になっている。もともと阪急バスが運行していた路線を、子会社の阪急観光バスに移管したのが正解。この記者はちゃんと調べたのか?

  4. 結局ツアーバス上がりの「新高速バス」に押されたって事でしょ。
    そりゃ人件費削って会社によっては中古車持ってくるんだからコストじゃ勝てませんわ。
    かといってコストに見合う運賃取ったら夜行列車が衰退したように新幹線あるいは飛行機+ホテルの方が割安感が出てくる。
    貸切で適正運賃を取ろうとする事業者や鉄道系事業者じゃ高速バスは維持できなくなったって事。
    まぁ関西対関東でもこの条件なら悉く廃止されてますけどね。

  5. JR北海道バスが女性専用バスを止めたのは利用が少ないから、導入する理由は立派でも止める理由はこんなもん!しかし一定評価された路線の中止は新規参入か止まる所を知らない排ガス規制か?