アルゼンチン帰りの「赤い丸ノ内線」500形、道路を走り本格修繕へ 3パターンに復元

3両それぞれ異なる姿に「復元」 イベントで活用へ

 アルゼンチンから日本へ帰ってきた元・丸ノ内線の500形電車ですが、東京メトロの担当者によると、一応走れる状態で戻ってきたため、走行系の部分は比較的状態がいいものの、車体については腐食が激しく、修繕が容易ではない部分もあるそうです。実際に見たところ、車体の“すそ”が一部、腐食でボコボコになっていました。

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アルゼンチン時代の姿を残す500形電車(2017年3月12日、恵 知仁撮影)。

 なお500形は4両がアルゼンチンから戻りましたが、新木場へ送られ整備されるのは3両です。1両は部品取りなどを想定した予備車両とのこと。

 また整備される3両は、それぞれ異なる姿に“復元”されます。1両は登場当時の、1両は「B修」と呼ばれる車体更新後の、そして1両はアルゼンチン時代の姿です。

 東京メトロはこの500形動態保存について「鉄道技術発展に貢献した車両として保存することにより、教育の充実を図るとともに、各種イベントで活用していく予定」としており、具体的な活用方法について担当者は今後検討していくといいます。再び丸ノ内線の「本線」を走ることを期待したいところですけれども、現実的には保安装置が現在とは異なるなどの理由から、不可能ではないものの、難しいかもしれません。

 車両基地での公開も、丸ノ内線は車両へ電気を供給する設備が地上にあるため、安全を考えると簡単ではない部分もありますが、はるばるアルゼンチンから帰ってきた電車にどんな形で再び出会えるか、「地下鉄90周年」の2017年12月を楽しみにしたいところです。

【了】

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