なぜフィリピンは海自の「お古護衛艦」を欲しがるのか? 対中国で急務の海軍力強化と“懸念点”

海上自衛隊で退役が進む、あぶくま型護衛艦のフィリピン海軍への移転(輸出)に向けた協議が急ピッチで進んでいます。とはいえ、就役から35年経過し老朽化した艦をフィリピンはなぜ欲しがるのでしょうか。

近代化進めるフィリピン海軍の事情

 こうしたフィリピン政府の動きの中で、日本は8年前の2018年に海上自衛隊の中古のTC-90練習機5機と関係地上器材をフィリピン海軍に無償譲渡するかたちで近代化に協力しました。なお、フィリピン海軍はこうして手に入れたTC-90を哨戒機として運用しています。

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2026年5月現在、フィリピン海軍で最新のミゲル・マルバル級コルベット(画像:フィリピン海軍)

 しかし予算の制約などにより、海軍力の近代化は十分な内容とは言えません。現有の水上艦艇でいえば、対艦ミサイルを搭載するのは、韓国製のホセ・リサール級フリゲート2隻と、その発展型ミゲル・マルバル級コルベット2隻の、計4隻のみです。

 そこで、フィリピン海軍は、もがみ型護衛艦の能力向上型である「令和6年度型護衛艦(4800トン型)」の就役に合わせて順次退役する予定の、あぶくま型護衛艦の入手に関心を示すようになりました。

 あぶくま型護衛艦は、1989年度から93年度にかけて計6隻が就役した、あさぎり型護衛艦と並ぶ最古参の護衛艦です。近海・沿岸防衛用として建造されたため、基準排水量は2000トンと比較的小さく、ヘリコプターの搭載能力はありません。しかし、62口径76mm速射砲1門、艦対艦ミサイル装置1式、アスロック対潜ロケットの発射装置1基、3連装短魚雷発射管2基、高性能20mm機関砲(CIWS)1基などを装備するため、フィリピン海軍が入手できれば短期間で水上打撃力の強化につながるでしょう。

 そのため、昨年(2025年)7月には、中谷 元防衛大臣(当時)とテオドロ国防大臣が6月上旬にシンガポールにおける会談で中古護衛艦の輸出について確認したことが報じられました。また8月には、フィリピン海軍の関係者が佐世保基地であぶくま型の2番艦「じんつう」を視察しています。

 ただし、昨年夏の時点では、少なくとも兵装か通信器材などで何らかの「共同開発」の形態をとり、改訂前の防衛装備移転三原則と運用指針に抵触しないようにすることが必須でした。

【間もなくサヨナラ!?】これが「あぶくま」艦上にいた擬人化オリジナルキャラです(写真で見る)

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コメント

4件のコメント

  1. お古なんて言わないで、日本の車だって中古車はかなりの人気なんだから。しいて言えば、2等船舶ですかね。

  2. お古の自衛艦ですか?

    なんかやたらと上から目線の記事ですね。(ちょっと観てて不愉快を観じました)

    要は使い方の問題でしょ。

    金に飽かせば、いくらでも高性能な兵器は装備できるんでしょうが、そうはいかない懐事情があるってことぐらい斟酌できないんでしょうかね。

  3. どこの国でも同じだと思うけど船があれば運用できるわけではない・教育システム・メンテナンス

    補給とフイリピンは海洋国だけど時々フェリーが沈んで大勢がなくなるぐらいその点には疎い国

    日本のように作ったものやまして米国の兵器をライセンスで自国で作れる国のほうが滅多に無いぐらい

    幸いまだ時間があるようだし日本にきてちゃんと教育システムを学んだほうがいい

    あぶくま級は最新ではないけど6隻で南シナ海を守ればある程度の防衛力にはなるはず

    ただ人員は各艦艇140名ぐらいは必要だから1000人近くは養成しないといけないはず・予備人員を考えれば

    更に上かな・・

  4. 対艦ミサイルは将来的に日本製で統一して貰えると嬉しいですね。

    気になるのはアスロック対潜ロケットの供給が続けられるのかです。

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