バイパスあっても“足りない!” 九州沖縄で屈指の交通量の国道「8車線化」まもなく完成 街全体が「ダントツの交通量」のワケとは
沖縄県浦添市で国道58号の8車線化事業が完成間近です。並行する道路も存在するのになぜ拡幅が行われたのでしょうか、その背景には沖縄特有の事情がありました。
交通を分断する“基地”と“地形”
ではなぜ、このように国道58号、国道330号に多くのクルマが集中するのでしょうか。その理由として考えられるのが、地理的な要因と、広大な米軍基地の存在です。
浦添市は、近接する宜野湾市(ぎのわんし)、北谷町(ちゃたんちょう)や沖縄市、そして沖縄北部の各地域と那覇市との間に位置し、沖縄本島の南北方向の通過交通が集中します。また市内は海沿い以外は山がちで、傾斜地には住宅が密集しており、国道58号、国道330号以外に南北方向の移動に使えるのは狭く信号が多い県道251号だけです。
しかも平坦な海沿いは広大な「米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)」で占められ、浦添北道路と国道58号とを隔てています。また浦添市の北、宜野湾市には「普天間基地」があり、こちらは国道58号と330号とを隔てています。
一般の都市では混雑する道路からより空いた道路に転換する交通により交通量の平準化が図られますが、浦添北道路、国道58号、国道330号の間では、米軍基地を通過する道路がなく、そうした移動ができません。
消去法で選ばれた「国道58号」拡幅
交通集中をさらに加速させる要因もあります。国道330号は浦添市の東端で沖縄自動車道「西原IC」に接続しています。沖縄道は西原ICから一気に南下し、那覇市の東側に大きく回り込むため、沖縄北部から沖縄道で那覇市を目指すクルマは西原ICから国道330号にそのまま流入するのが通例で、これが国道330号の混雑に拍車をかけています。
その国道330号は丘陵地を切り通しやトンネル、高架や盛り土で貫いていますが、左右には市街地が広がり、現在以上の拡幅は困難な状態です。しかし国道58号は、キャンプ・キンザーの一部返還により、道路用地の確保が可能でした。
こうしたことから、浦添市の道路交通環境を改善するため、通過交通の一部を浦添北道路に逃がした上で、交通量上位の国道330号ではなく、国道58号の拡幅が選ばれたのでしょう。
なお国道58号の8車線への拡幅は2022年3月に暫定供用され、朝夕の渋滞緩和に大きな効果を発揮しました。その後も歩道などの付帯工事が続けられており、2026年5月現在は中央分離帯の整備工事などが行われ、現地の掲示板での工事期間は6月30日までとなっています。
Writer: 植村祐介(ライター&プランナー)
1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。





車線が8車線と言っても、1キロ程度後は6車線に戻る。レンタカーを減らせば、バイパスは造らないでも済みます。沖縄は特殊で、米軍や自衛隊車両も頻繁に走行する為、事故も多い。米軍車両なんてナンバープレート無しで走ってますよ。