なぜ最新型ではなく「艦齢40年の旧式艦」を欲しがるのか? 海自“あさぎり型”にインドネシアが熱視線を送る切実な理由
日本とインドネシアのあいだで、海上自衛隊のあさぎり型護衛艦の移転(輸出)に向けた協議が本格化しています。ただ、なぜインドネシアは最新鋭艦ではなく35年以上前の旧式艦を求めるのでしょうか、その背景に迫ります。
中国の海洋進出に曝されるインドネシア
第二次世界大戦後、オランダから独立したインドネシアは、1955年4月にアジアとアフリカの29か国が参集したバンドン会議が開催されるなど、冷戦時代は東西両陣営に属さない、いわゆる「第三世界」と呼ばれる国々のなかでも有力国でした。
なお、国土は日本の約5倍、現在の総人口は約2億7900万人という大国です。こうした歴史と国情から、インドネシアは、国益を重視した独自性の強い、かつ能動的な外交方針を取り続けています。また、それに基づき、対外関係も非同盟・全方位というもので、アメリカとロシアだけでなく、中国、日本、インドなどとも等距離を取り続けてきました。
しかし、中国が南シナ海に自国の権益が及ぶ範囲「九段線」を一方的に設定したことで状況は一変します。この九段線を根拠に、中国は、ASEAN(東南アジア諸国連)加盟のマレーシア、ブルネイ、ベトナム、フィリピンと南沙諸島や西沙諸島の島々の領有権を争っているほか、インドネシアとの間では、九段線がインドネシア領ナトゥナ諸島の北方海域と重なっていると主張。2020年代に入り、中国漁船が中国海警の巡視船が同行するもとで、インドネシアの排他的経済水域(EEZ)内に侵入して不法操業を行い、インドネシアの海上保安当局や海軍の艦艇が対抗措置を取るような事態が頻発するようになりました。
こうした中国の一方的な行動に対して、インドネシア軍は、南シナ海南部に位置するナトゥナ諸島に海上戦闘部隊司令部を移転させ、統合部隊や航空隊などを展開させるとともに、戦闘機や艦艇が即応可能な状況にしました。また並行して、海軍は装備の充実・強化を急いでいます。
では、インドネシア海軍の現状はどうなっているのでしょうか。





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