ボーイングの “幻の新型哨戒機”なぜサッパリ売れず? 「魔改造でP-8の魂投入のモリモリ性能」も「あれ、全く…」
アメリカの航空・防衛大手ボーイングは、他社製ビジネスジェット機をプラットフォームにした海上監視機の開発を試みましたが、成功しませんでした。コンセプトは正しかったはずなのに、なぜ計画はとん挫してしまったのでしょうか。
機体の大きさが中途半端だった?
しかし、海外の航空ショーで展示・アピールこそされたものの、来場者の目に止まることはほとんどなく受注に成功することはありませんでした。今も考えられている理由は、ベース機がボーイング製ではなかったためでなく、機体の大きさが中途半端だったためではないか、といわれています。
ボーイングはP-8の運用費が負担になる中小国を市場に目論んでいたとされていますが、海上の監視飛行はより低速で小型のターボプロップ旅客機からの派生型が向いているということでした。P-8のシステムを流用し搭載すれば、性能はそれなりに約束されますが、市場は受け入れず、ミッションの目的に合わせた機体規模の「選択」を誤ったということです。なお、ボーイングは、日本の海上保安庁にも提案を試みましたが成功しませんでした。
加えて、2010年代はボーイングにとって受難続きでした。2010年代前半は787旅客機のリチウムイオン電池の発火トラブルと対策による追加出費が経営を圧迫し、開発機種の統廃合も行われました。MSAも2017年6月には計画は終了したということです。
今後、MSAのような、ビジネスジェット機をベースにした海上監視機は登場するのでしょうか。アメリカとカナダの関係はトランプ政権により冷え込んでいるといわれますので、カナダ製の機体をアメリカのメーカーがベース機にするような例は考えにくいかもしれません。それよりも、海上監視のように長時間飛ぶミッションは無人機へ移っているといえるでしょう。
Writer: 相良静造(航空ジャーナリスト)
さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。





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