都内でも進まない「無電柱化」が、なぜか「離島」で進むワケ

東京都で進められている「無電柱化」。実はその恩恵を大きく受けるのが離島です。なぜ島しょ部でこそ無電柱化が必要なのでしょうか。

「無電柱化」は何の役に立つのか

 2026年7月15日(水)から7月17日(金)まで、東京都江東区の東京ビッグサイトにて「メンテナンス・レジリエンス2026」「Techno-Frontier2026」が開催されました。工場作業など様々な局面に役立つ技術が展示されているなかで、一つ毛色が違う展示がありました。それが東京都の「無電柱化事業」に対する取り組みを説明するブースです。

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父島のメインストリート。見える範囲で電柱の姿はない(画像:写真AC)。

 無電柱化とは文字通り電柱を無くすことで、道路の地下空間に電力線や通信線をまとめて収容する「電線共同溝」の整備をするというやり方を主軸に、地上から電柱や電線をなくす取り組みです。国土交通省が主導し、東京都では「東京都無電柱化推進条例」が施行されています。

現在、都道においては6割ほどが無電柱化を達成しています。ただし「現状では都道に比べて圧倒的に多い市区町村道の無電柱化が想定より進んでいないため、『第3次無電柱化推進計画』の全国1000キロの無電柱化予定には届かないのではないか」とブースの担当者からは説明がありました。

 思うように進んでいないという無電柱化ですが、一方で東京都では「離島」地域でも無電柱化の工事が進みつつあります。離島では、無電柱化の恩恵が非常に大きいのだとか。ブースの担当者は次のように語ってくれました。

「災害時の電力基盤の安定化のためです。東京都の有人島では、火力発電を用いて島内電力を賄っていますが、電柱の整備について満足に行える体制とは言い難いです。台風の襲来などで電柱が折れてしまった場合、該当する島に電力会社の職員そのものがいないという事も考えられます。その場合、本土や付近の島から電力会社の社員を移動させる時間も費用もかかります。無電柱化が完了すれば、電柱の倒壊による停電などのリスクを回避できるのがメリットです」

 既に東京都の八丈島では過去に台風被害による電力網の寸断が起きており、主要な部分の無電柱化の取り組みが2035年をめどに進められています。島しょ部では電線共同溝の工事そのものを請け負ったことのある事業者が少ないため、完全に埋設するのではなく、道路脇に専用のスペースを確保し、そこに電線を敷設するという案で進行される予定です。「交通量や安全性を考えれば、この方法が望ましいとされています」と担当者は説明してくれました。

【この箱が目印】これが電線共同溝の様子の模型などの画像です

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