北朝鮮ミサイル、対策迫られる東京メトロ 地下鉄ゆえの課題、パニック発生防げ
北朝鮮のミサイル発射報道で、列車の運行を一時停止した東京メトロ。この問題に関し、同社ではほかにも想定していることがあるといいます。一般市民も、知っておくべきことでしょう。
北朝鮮情勢が緊迫化するなか、東京メトロは…
「北朝鮮がミサイルを発射」と報道されたことから、2017年4月29日(土・祝)の朝6時すぎ、東京メトロが全線で約10分間、運行を見合わせました。
同社によると、北朝鮮を巡る情勢が緊迫化した4月中旬、ミサイルの発射が「全国瞬時警報システム(Jアラート)」や報道で伝えられた際は列車の運行を見合わせる、と決定。それに従った対応だったといいます。
これについて「過剰な対応」という意見もメディアなどに見られるなか、東京メトロは北朝鮮のミサイルについて改めて議論。今後は「Jアラート」発令時のみ、列車の運行を見合わせることにしました。
ミサイル対応の“正解”が何であるかは、ここではさておき、「ミサイルが飛んでくる」という“未知の危機”に対し、より安全な選択をしようと決めていた東京メトロの方針は、理解できないものではありません。こうした経験や議論は、今後の備えに生かされていくでしょう。
北朝鮮ミサイル、東京メトロが特に備えねばならないワケ
ミサイル発射時の対応について、東京メトロではほかにも想定していることがあるそうです。
日本政府が2017年4月21日(金)に発表した「弾道ミサイル落下時の行動について」では、「近くのできるだけ頑丈な建物や地下街などに避難する」としています。また「弾道ミサイル落下時の行動に関するQ&A」では、「なぜ頑丈な建物や地下街などへ避難するのですか」という質問に対し、次の回答が用意されています。
「ミサイル着弾時の爆風や破片などによる被害を避けるためには屋内(できれば頑丈な建物)や地下街など(地下街や地下駅舎などの地下施設)への避難が有効だからです」
「東京地下鉄株式会社」が正式名称である東京メトロ。万が一の際、その駅に人々が殺到する可能性があることから、同社では列車の運行停止ほか、パニックによる事故を防ぐため、駅のエスカレーターを止める、案内放送を活用するといった対策を考えているとのこと。
また地下鉄を4路線運行する東京都交通局も、「Jアラート」発令時は走行中の列車を次の駅に停車させるなどするほか、状況に応じて安全確保の対策を行うといいます。
我々一般市民も万が一の際、パニックになる可能性を想定し、落ち着いて行動したいところです。
【了】
過剰だと言われようが必要な対応をするという、地下鉄サリン事件の教訓も踏まえての対応でしょうね。
私は東京メトロは適切な対応をしたと思う。
利用者と社員の安全確保が第一優先。時間通りの運航は第二優先。
生きているから東京メトロを利用できる。
メトロは営団時代も含めて様々な事件や事故を経験している。前向きに有事に備えるのも当然の事だろう。
広義の防災訓練と考えておくが、それが正常化バイアスをもたらして、いざというときに誰も何も反応をしなくなることをのみ怖れる。