旅客機「ビジネスクラス」のナゾ なぜシートクラスの呼称が「ビジネス」なのか

国際線旅客機において、「エコノミークラス」よりワンランク上として「ビジネスクラス」という呼称が広く使われていますが、なぜ「ビジネス」がシートクラスの呼称に使われているのでしょうか。

「1等」と「節約」のあいだに

 国際線旅客機の座席ランクの呼称は各社さまざまですが、一般的に「ファーストクラス」「ビジネスクラス」「エコノミークラス」の順に大別することができます。ファーストクラスとエコノミークラスとのあいだに位置するビジネスクラスは、エコノミークラスよりワンランク上のサービスを受けられます。

 しかし、そもそも「ビジネス」とは「事業」や「業務」、「取引」といった意味合いの言葉です。にもかかわらず、「エコノミーの上」あるいは「ファーストの次」として、なぜ「ビジネス」という呼称が使われているのでしょうか。

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国際線旅客機のシートは一般的に、「ファーストクラス」「ビジネスクラス」「エコノミークラス」の3クラス。写真はイメージ(画像:idealphotographer/123RF)。

 そのためには、第二次世界大戦前からの旅客機事情を振り返る必要があるようです。航空科学博物館(千葉県山武郡)のスタッフは、「戦前の旅客機の多くはファーストクラスのみで、戦中の1940年代にエコノミークラスのみの旅客機が登場。エコノミークラスとファーストクラスの2クラスをそなえた仕様が増え始めたのは1950年代になってからだといわれています」と話します。

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ANAのビジネスクラス「ANA BUSINESS STAGGERED」。「スタッガード」はたがいちがいといったニュアンスで、全席が通路に面する(画像:全日本空輸)。

「1970年代にはボーイング747型機など、機材の大型化で供給過多が発生、空席が増加することになりました。そういった状況を改善すべく、エコノミークラスの通常料金を割引したチケットが登場しましたが、これによりエコノミークラスとファーストクラスとの料金格差はさらに開いてしまい、その結果、中間クラスとしてのビジネスクラスが誕生したといわれています」(航空科学博物館)

 ANA(全日空)もビジネスクラス誕生の経緯について、1970年代に登場した大型旅客機による大量輸送時代がもたらした海外旅行の大衆化と、これにともない「団体割引運賃」をはじめとする手ごろな価格の座席が増えたことが背景ではないか、と話します。

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コメント

3件のコメント

  1. 飛行機はイメージ戦略の重要性が高いように思いますね、特に島国の日本では
    でも、数十年前のように金持ちしか乗れない時代ならともかく、LCCも飛ぶ今の時代は、もう少し一般的な名前にしたらどうですか
    プレミアム、スタンダード、エコノミーみたいに

  2. 今さらだけどクリッパーの方が良かった。だって今の日本でビジネスって言われて高級感あります?

  3. 台湾新幹線のグリーン車が商務車なのもビジネスクラスの直訳なんだな。