旅客機「ビジネスクラス」のナゾ なぜシートクラスの呼称が「ビジネス」なのか

最初は「ビジネス」ではなかった

 では、最初にビジネスクラスを導入したのはどこなのでしょうか。ANAは「最初に導入したのは、当時アメリカを代表する航空会社だったパンアメリカン航空だとされています」といいます。

「当初の呼称はビジネスクラスではなく、『クリッパークラス(Clipper Class)』と呼ばれていたそうです」(ANA)

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出発までの時間を快適に過ごすことのできる、羽田空港のビジネスクラスの「ANAラウンジ」(画像:全日本空輸)。
「ANA BUSINESS STAGGERED」は、フルフラットシートを採用したゆとりのある空間(画像:全日本空輸)。
ANAのビジネスクラスで提供される、ヨーロッパ路線向けの機内食(画像:全日本空輸)。

「クリッパークラス」からビジネスクラスへ呼称が変化していった背景については、諸説あると断った上で、「おもに出張や社用(ビジネス)で『通常料金のエコノミークラス』を利用する、比較的運賃の負担力がある顧客に向けたことから、『ビジネス』といった呼称になったようです」と話します。

 ANAは1986(昭和61)年7月の成田~ロサンゼルス便就航にあわせて「ス-パ-エグゼクティブクラス」の呼称でビジネスクラスを導入。その後、1991(平成3)年3月に「CLUB ANA」と改称しました。2010年2月からは、ロゴなどを「ビジネスクラス」に統一し、「ANA BUSINESS STAGGERED」などの商品名でサービスを提供しています。

 一方、JAL(日本航空)がビジネスクラスの呼称を明確に使い始めたのは、全クラスに新シートを採用した機体「スカイスイート 777」を導入した2013年1月からで、それまでは「『エグゼクティブクラス』と呼称していました」(JAL)といいます。

 ちなみに、ビジネスクラスの航空券にはビジネスの「B」ではなく、「C」とクレジットされています。その理由について、ANAとJALはともに「『クリッパークラス』の頭文字からとったという説が有力です」としています。

【了】

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コメント

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4件のコメント

  1. 飛行機はイメージ戦略の重要性が高いように思いますね、特に島国の日本では
    でも、数十年前のように金持ちしか乗れない時代ならともかく、LCCも飛ぶ今の時代は、もう少し一般的な名前にしたらどうですか
    プレミアム、スタンダード、エコノミーみたいに

  2. 今さらだけどクリッパーの方が良かった。だって今の日本でビジネスって言われて高級感あります?

  3. 台湾新幹線のグリーン車が商務車なのもビジネスクラスの直訳なんだな。

  4. 結局、ビジネスになった由来は、なに?記述してあった?わからなかった。