重機操作ロボ、人型のワケは「インパクト」? ロボ好き発案 地球の裏から遠隔操作も

人型ロボットはなぜ生まれたのか

――そもそも、本シリーズではなぜ「人型」デザインを採用したのでしょうか?

 「DOKA ROBO」から開発に携わってもらっている富士建(佐賀県佐賀市)にロボット好きのスタッフがいらっしゃって、「どうせ作るのだったら面白くインパクトのある製品を」と採用されたのがきっかけです。

――人型ロボットの優位性とは何でしょうか?

 これまで油圧ショベルを遠隔操縦するためには、エンジンや油圧システムにシリンダーやモーターなどを取り付けて改造する方法が主に行われており、この取り付け作業のみで3~4日間かかっていました。しかし、人型ロボットの場合は、操縦席のシートを外してロボットを取り付けるだけ。全長1.5mで重さも18kgと、大人ひとりで運ぶことができる大きさのため、取り付け作業を1時間程度で終えることができます。

 また、当然の話ですが、建設機械のコクピットは人間がそのなかで作業をするのに適したデザインとなっているため、人型ロボットであればさまざまな建設機械に乗せることができ、汎用的に使うことができるのです。現場への運搬も、コクピット型コントローラと併せてライトバン1台で行えるため、輸送コストの削減につながります。

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4画面のディスプレイが取りつけられたコクピット型コントローラ。(画像:カナモト)。

――コクピット型コントローラは、どのような造りになっているのでしょうか?

 実際のコクピットを模したものに、4画面のディスプレイを取りつけています。ディスプレイには、ロボットの胸部とショベルカーの左右、下に取り付けられた計4か所カメラから送られてくる映像が映し出され、現場の状況を容易に把握することができます。

 なお、オプションとして、ロボットの頭部にカメラを取り付け、オペレータの首の動きに合わせて「DOKA ROBO 3」の首を動かすことができる、ヘッドマウントディスプレイのサービスも提供しています。
 
――どのくらいの距離まで、遠隔操縦が対応できるのでしょうか?
 
 コントローラとロボットをつなぐ無線環境は、無線LANや移動体通信などの公衆回線に対応しているため、距離の制限はありません。東京にいながら、九州にある油圧ショベルを操縦することも可能です。

※ ※ ※

同社では今後、ブルドーザーやキャリア、クレーンなどの建設機械への対応も行っていくとのことです。

【了】

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コメント

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7件のコメント

  1. カナモトも凄い物作りましたな、

  2. なんというか・・・重機運転ロボか。確かにこれならどんな重機も簡単に遠隔操縦に出来そうだし、将来的に人工知能つければ重機オペレータ不足には対応できそうだし、いろんな応用は考えられるけど(一例、長距離トラック運転など)。多分誰も考え付かなかった、逆転の発想。死角と稼働時間の問題はあるにしても、夢が膨らむ機械ですね。

    • このように重機は足を使う操作もあるので人型なら更に有効だし、未だクラッチペダル主流なトラックも視野に入るしヘリだって可能かも?今そこにある物が人型ロボットであることで遠隔に操作可能なことに意義がありますね

    • ロボットがタイムカードを打刻する日がきたりしてね、

  3. 正月番組で賀正とか重機の先に筆付けて書いた繊細な動きには脱帽しましたよ!卵だって割れるほど微調整の効く力持ちだそうですよ、遠隔操作で更に行動範囲が広がれば世間で知られる重機の見方も変わるでしょう、

  4. アンドロイドが人型である合理性については、士郎正宗が『ブラックマジック』所収のコラムで「人間が使う道具を使うことができる」という理由を述べている。……作業環境が限定されているいう点からは、稼働ソフトを換装するだけの重機がクルマよりも先に完全自動化するに違いない。

  5. まんまリアル・スティールのゼウスのコントローラ