スマホのナビアプリに導かれ…自動車専用道へ「誤進入」増加 国交省も対策要請

国はアプリ会社へ「安全配慮上の措置」要請

――注意喚起の看板を増設してから、どう変わったのでしょうか?

 効果に関する正確な数値はわかりませんが、自転車の人が増え続けており、相対的にあまり変わっていない印象です。自転車が通れる国道1号の旧道は県道になっていることもあり、う回ルートがわかりづらいことから、それをスマートフォン上で確認するためのQRコードを看板に設けることも検討しています。

――アプリのユーザーが気を付けるべきことはありますでしょうか?

 やはり現地の標識を確認し、それに従って通行することでしょう。

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国土交通省浜松河川国道事務所管内の国道1号。8番「浜松バイパス」のうち一部区間は自転車・歩行者通行禁止となっている(画像:国土交通省浜松河川国道事務所)。

※ ※ ※

 国土交通省道路局も2017年7月に、アプリなどの提供事業者へ「安全配慮上の措置」を要請しており、参考として2016年8月から2017年3月に首都高へ誤進入した原付、自転車、歩行者のうち、約2割がナビアプリを利用していたという数値を挙げています。

 同局は「自転車または歩行者向けのルート案内で、自動車専用道路など自転車や歩行者の通行が禁止されている区間へ誘導しないようにするほか、これらの方々が自動車向けルートで検索する場合もあるため、『これは自動車向けルートである』『自動車専用区間を通行する』といった旨をわかりやすく示すよう要請しています」といいます。

「NAVITIME」「自転車NAVITIME」など多数のナビアプリを提供しているナビタイムジャパン(東京都港区)は、「地図データの提供会社から、自転車専用データを購入し、それを正しいものとして使用していますが、ユーザーからのレビューで『通行禁止区間を案内された』という声もあります。データは弊社でも定期的にアップデートしているほか、ご指摘があった道路は随時調査し、通常1週間ほどでデータの修正を反映できるようにしています」と話します。また、「自動車ルートと自転車ルートの違いは、イラストと文字でわかるようにしてるほか、カーナビと自転車ナビアプリは、それぞれ専用のアプリとして提供しています」とのことです。

 なお、今回取材した国土交通省の各担当者も、ナビアプリの提供社も、みな口をそろえて「最終的には現地の標識を確認し、それに従ってほしい」と話していました。

【了】

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コメント

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7件のコメント

  1. きちんと標識とか周囲確認とかすれば防げるようなもの。なんでそんな常識もわからないのかな。

  2. 「管理している道路のどこが自動車通行禁止か」
    そんな基本的な情報をデータ化、オープン化できていない行政の道路管理者こそ、「安全配慮上の措置」を要請する前に自ら取り組むべきだと思います。

  3. これナビ改良、道路管理の以前の話じゃないの?何で風景とか?状況判断ができないのか?確かに合わせて道路管理やナビ改良も必要でしょうがね、車でも最近は歩行者を車が感知して警告促したりブレーキかけたり、しかし優先すべきは車も自転車も運転者の自覚でしょうに

    • 対象が肉体的に目視ができるが電子的に認識できない場合、自分の肉体感覚よりも機械の判断を信じて作戦行動をとる戦士(『戦闘妖精雪風』の深井零)と、それを不思議に感じる異世界の存在(『敵は海賊』の海賊課)との邂逅を主題としたSF作品がある。

  4. 申し訳ないが信号、信号誤作動検知を優先、重ねて、単線路線には欠かせない入れ換えの人為的な鉄則ルール無視の信楽の列車事故を思いだしてしまう

  5. これはアプリ側が酷い怠慢だわ
    自動車モードならば仕方がないが、歩行者モードや自転車モードで誘導するとか欠陥レベルのお粗末さ
    歩行者や自転車に対して交通標識の識別能力を期待してはいけない

  6. こんな調子で鼻も効かさずに飯屋探すんだろうな、ある意味では幸せな時代だな