相性最悪、地下鉄と冷房 東京メトロに聞いた、排熱問題との長き戦いの歴史とは

車両冷房以前は「トンネル内冷房」

――車両冷房が始まる以前はどうしていたのでしょうか?

 駅のほか、トンネル内を冷房していました。ただトンネル内冷房については車両冷房が急速に進んだことから、2006(平成18)年を最後に全区間で廃止しました。

――車両冷房はなぜ可能になったのでしょうか?

 電車の冷房装置が進化し、排熱の少ないものが登場したことのほか、電車の「省エネ化」も背景にあります。車両冷房の導入には使用電力の大きさが課題になっていましたが、走行にかかる電力が少なくなったことで、冷房が使えるようになったのです。

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日本橋駅に設置された冷房装置。1971年(画像:東京メトロ)。

※ ※ ※

 東京メトロによると、昭和のはじめに地下鉄が開通した当時は「『冬は暖かく、夏は涼しい』がウリだった」そうです。「都市化の進展や人口増とともに路線が延び、運転本数や両数も増えていくと、相対的に地下鉄内の熱量が増加していった」と話します。

 このため、1964(昭和39)年に営団地下鉄(当時)第3の路線である日比谷線が全通したころから高温対策が叫ばれるようになり、1971(昭和46)年から駅およびトンネル内冷房を開始。車両冷房の導入は、それから17年後のことでした。

 その後、車両冷房の進展とともに、トンネル内冷房を併用する必要がないと判断し、これを廃止したそうです。現在は駅と車内のみを冷房しているといいます。

【了】

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コメント

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5件のコメント

  1. 東京メトロ、あっぱれー

  2. 抵抗制御からチョッパ制御やVVVFインバータ制御に変化して、制御装置からの排熱が少なくなったのも理由ですかね。

  3. 子供の頃、地下鉄運賃は高いと思った乗っていてもツマラナイからで有る。
    大人になっても、昨今鉄道各社観光列車クルーズ列車宜しく、車窓は楽しむ能うもので有ってこの観覧料金を差し引いたら地下鉄運賃は随分高いと思う

  4. そう言えば相鉄も昔は横浜駅を出るまでは送風でしたかね?完全に冷房車が揃うまでは編成中に先頭と最後尾だけが冷房車とかありましたよ。八高線が電化される前は1両だけが冷房車で当然に夏は冷房車だけが満員状態でしたよ

  5. 改札脇の柵沿いの水冷冷房装置 懐かしいなぁ。