平均35km/hの特急!? 山峡を優雅に走るスイス「氷河特急」8時間の旅

「氷河特急」の名物は傾いたワイングラス!?

 翌朝、ツェルマット駅に行くと、真っ赤な車両が印象的な「氷河特急」がホームで迎えてくれた。1等車両は3列シートで、座席にイヤホンが備えられ、ルート案内や沿線情報を日本語で聞けるのがありがたい。

 8時52分に出発した列車は、マッターフィスパ川に沿って進む。山岳地帯を走り、やがて牛や羊が草を食む牧草地へ。山小屋や何げなく咲いている草花はどれも絵になり、写真におさめたくなる。

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車内ではグラスやマグカップのほか、リュックサックやサングラスなども売っている(写真:石口早苗)。
車両は天井の一部もガラス張りで、展望が開けている(写真:石口早苗)。
険しい山峡とは対照的に、牧歌的な光景に出会えるのも沿線の魅力(写真協力:マッターホルン・ゴッタルド鉄道)。

 車内販売で、「氷河特急」名物のワイングラスを買った。傾斜のある鉄路ゆえ、傾いた作りになっている。ランチタイムには、予約していた料理が席まで運ばれてきた。列車は峡谷に沿って蛇行を繰り返し、少しずつ標高を上げる。ふと窓を見ると、湖がすぐ前に広がっていた。標高2033mのオーバーアルプ峠まで来たようだ。

 ディゼンティス駅で停車すると、何人かの乗客が降りていった。15分停車するというので、私も後を追う。列車前方に人が集まっていて、よく見ると先頭車両がない。車掌さんに聞くと、「これから別の機関車を連結するんだよ」とのこと。作業は数分で終了し、急いで自分の車両へ戻った。

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