ヘッドレストの適正位置とは? 「枕」ではない安全装置 真価を発揮する瞬間は
ヘッドレスト「低すぎ」の人が約半数? 適正位置とは
ホンダが2010(平成22)年に公開した、実際の路上を観察した結果によると、ヘッドレストの高さが適正な位置にあったドライバーは50.4%、実にほぼ半数が不適正な高さのまま運転していることが明らかになりました(本田技研工業「SJ」No.440より)。「高さ調整が可能なクルマでは、一番下の位置にヘッドレストがあるケースが多かったが、その状態では頭よりも低すぎる人が目立った」との所見も挙がっています。
では、正しいヘッドレストの位置とは、どこなのでしょうか。JAFはウェブサイトで、「頭頂部と高さを合わせ、ヘッドレストと頭にすき間ができないようにします」としています。ホンダは「N-BOX」「フリード」などの取扱説明書で「後頭部の中心がヘッドレストの中心に来るように」、トヨタは「プリウス」「カローラフィールダー」などの取扱説明書で「ヘッドレストの中心が両耳のいちばん上のあたりになるように」としているなど、表現は微妙に異なるものの、ヘッドレストと頭の間になるべくすき間ができないような位置というのは共通するようです。
前述した交通事故総合分析センターのまとめでは、追突されたクルマのヘッドレスト位置が低すぎた例、取り外していた例それぞれの事故事例を紹介しています。これによると、追突したほうのドライバーはいずれも無傷もしくは軽症であったのに対し、追突されたほうのドライバーはいずれもむち打ち症を負っています。このことから、追突事故では、追突されたほうがむち打ち症を負うことが多く、「ヘッドレストを適正位置に設定することがこの傷害を低減するのに効果的である」としています。
クルマの「ヘッドレスト」はそもそも、「ヘッドレストレイント(Head Restraint)」の略。Restraintは「拘束」を意味し、Rest(休息)ではありません。拘束されるのですから、仮に多少不快だったとしても、適正な位置で使用しなくては意味がないというわけです。
【了】
う〜ん。
安全装備はシステムとして稼働するのだから、頭部とヘッドレストとの関係性だけでなく、バックレストから肩部が離れない角度とか、鎖骨と骨盤上部の3点をシートベルトで拘束させて内臓損傷を避けることとか、そんな記事も希望。
これも勿論大切!この効果を生かすには、ブレーキを限界まで踏み込める位置にシートを調整する必要がある、楽な体制でシートを後ろに位置させると、限界に至る前に足が延びきる事態になってしまって適切な制動を得る事ができずに緊急回避しきれない場合もありますね、タクシーの運転手さんがシートを前に位置させる運転姿勢は後部座席のお客さんへの配慮、又はブレーキを限界まで踏み込む対策でもあるのですね、と免許更新の講習で習いました。
脳脊髄液減少症の患者さんって追突事故が一番多いんですよ。