米B-1B「ランサー」が核攻撃不可なワケ 話題の戦略爆撃機、封印はロシアが保証?

昨今の朝鮮半島情勢に呼応し、アメリカ空軍のB-1B「ランサー」戦略爆撃機がなにかと話題に上っています。核搭載能力が取り沙汰されることもありますが、不可能であることはロシアが保証しています。どういうことでしょうか。

そもそも必要性は? B-52Hも半数が非核化

 とはいえB-1Bの爆弾倉内部は通常閉鎖されている箇所ですから、あえて意地悪な見方をすれば、アメリカ側が条約に反し秘密裏に核兵器搭載能力を復活させ隠し通すことも不可能ではないように思えるかもしれません。しかしその恐れはまずありません。

 新戦略兵器削減条約付属議定書第9条において、この懸念に対する透明性確保が明文化されており、ロシア側は年に1度、アメリカ空軍のB-1Bを任意に3機指定し、核の封印が順守されていることを検査、査察する権利を有すことが定められています。アメリカ空軍において現役のB-1Bは60機にすぎませんから、これは透明性を実証するに十分な内容の合意であるといえるでしょう。

Large 20170916 01
B-52H「ストラトフォートレス」。初期型の初飛行は1952年(画像:アメリカ空軍)。

 また爆撃機による核攻撃は、大陸間弾道ミサイルや潜水艦発射ミサイルに比べてあまり有効ではない手段となっており、現在アメリカでは3機種の戦略爆撃機のうちのひとつ、B-52H「ストラトフォートレス」から核兵器運用能力の削除が進んでいます。2017年3月1日現在において、B-52H保有数のおよそ半数にあたる41機が非核化されています。したがって、あえてB-1Bの核の封印を破る合理性もないのが実情です。

 核兵器搭載能力を持たないB-1Bは、圧力や友好を示す上で「使いやすい」機種と言えるのではないでしょうか。

【了】

この記事の画像をもっと見る(3枚)

最新記事

コメント

5件のコメント

  1. 私個人的にはA型の方がカッコいいと思います。ただ、ホワイトボディーのこの機体が爆撃機?はもったいない❗超音速旅客機か超音速ビジネス機?にした方がよかったかな?と思います❗

  2. 多分、当時としてはB-2を100機以上量産するつもりがあったのと、トマホークとかで充分な抑止力があるから(Mk41フルサイズの寸法はトマホーク搭載を前提としている。ちなみにMk41には扱い全長が短いタイプもあります。)、B-1の核を封印しても問題なし、と思っていたのかもしれない。あるいは逆に条約締結当時は核戦争は起こらないと予想していたのか。B-52に核兵器を残したのは、当時としてはどうせ21世紀前後に引退する(はずだった)旧式爆撃機の改装費をけちったとも考えられます。余談ですが、マンガ「エリア88」にもB-1が登場、爆撃まで行っています。序でにライバルのTu-160はもっとデカイです。しかも色も白いし。さしずめ死の大白鳥?しかし今になって大問題になろうとは。

    • 余談のところ。

      サキ司令官自ら操縦してました。88ではF-20とかX-29とかも飛んでましたね。新谷さん引退とか言わないで現代を舞台に続き描いてくれないかな?

  3. 「核搭載可能なB-1B」なる報道を見た覚え無いですけど。ま、全てのニュースや新聞見てる訳じゃないですが。 個人的には、B-1Bは北が核攻撃と同時にやるであろうソウル侵攻を阻止するぞとのデモンストレーションに思えます。前線への爆弾バラ撒きに、搭載量と飛行速度とステルス性が生きます。他の攻撃(北の指導者の地下シェルターへのバンカーバスターとか)はF-15Eとかでも良い。

  4. 動画検索ワード「B 1B Lancer 可変翼の超音速爆撃機 ロックウェル・インターナショナル ランサー」

    MPL多目的発射装置で「B61」と「B83」の核爆弾が搭載可能です。動画7分55秒参照。

記事ランキング

  1. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  2. 「断固たる措置を講じる」首都高公式ブチギレ! 「公平性を著しく損なう」非常識ドライバーに“鉄槌”…一体何が?
  3. 「知らなかった!」SNSで話題に 高速道路の“2つ並んだ赤い三角コーン”、実は超重要な「ある合図」だった! NEXCO公式が投稿
  4. 神奈川県警の“バイクは自転車レーン走るな”投稿にツッコミ殺到! 「自転車にも車にもバイクにも迷惑です」…何が問題に?
  5. 史上最大の軍艦より135mもデカい!? 旧海軍「大和」を凌ぐ『エースコンバット8』の新ボス「陸上戦艦」の衝撃スペックとは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号