戦車の操縦に必要な免許とは? 戦車乗りの証、「大特車はカタピラ車に限る」の意味
自衛隊内の自動車教習所ってどんなところ?
自衛隊員は原則として、営内にある自動車学校で教習を受けますが、学科試験は民間人と同様に各都道府県にある運転免許試験場で受験します。自動車学校の人気は高く、入校できる人数は部隊ごとに枠が決められています。最優先されるのは車を運転することが仕事と言える「輸送科」の隊員で、早ければ新人の教育期間中に自動車学校で教習を受けます。それ以外は自動車免許の必要性が高い部隊から、というのが基本です。
しかし、実はそのなかでも順番があり、「最初の任期(2年)を経て、その後も自衛隊で働く意志があること(つまり3曹になることが見込まれる)」「成績優秀、勤務態度もまじめで人格的に問題ない」といった隊員から入校が許され、さらに民間では存在しない「適性検査」が課せられます。この適正検査にパスをしないと教習は受けられないのです。
「キレやすい」「短気である」「ハンドルを握ると人格が変わる」といった性格の隊員は、適正検査で落とされることもあるそうです。国を守る自衛隊ですから、免許取得に関しては教習を許可する時点で厳正に振り分けられるというわけですね。
かつては学科100点満点が必須だった?
元自衛隊員である知人のBさんが言うには、「昔はスパルタだったけど、いまはトラックもAT車だし、楽だと思うよ」だそう。というのも、かつては学科試験100点合格が必須だった時代もあったようです。
最近はもはやそのようなことはありません。というのも民間では若者のクルマ離れが進んでいますが、自衛隊の若者たちはほとんどがマイカーを所有しているそうで、かつてのように、「運転するのは自衛隊車両だけ」(だから公道を走る際には事故を起こさないよう徹底的に教習)ということも少なくなっているそうです。つまり、若い自衛隊員の運転技術が大幅に向上したので、かつてのような厳しい教習は必要ないということなのでしょう。
とはいえ、自衛隊員が事故を起こしては大変ですから、公道を走る際は当然ですが速度制限は厳守、安全運転が徹底しています。
※10月14日追記
記事の一部に誤解を招く表現があったため、修正および補足いたしました。
【了】
Writer: 加藤久美子(自動車ライター)
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。一般誌、女性誌、ウェブ媒体などへの寄稿のほか、テレビやラジオの情報番組などにも出演多数。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。愛車は新車から19年&24万キロ超乗っているアルファスパイダー。
カタピラなぎさ
誰の何のギャグだったか…
自衛隊内の資格だと、信号ラッパもあったかと。
キャタピラーは一企業の登録商標では?まあ、殆ど一般に認知された名称だけど。
キャタピラのもっと本来の意味はイモムシとか毛虫とかモゾモゾ動く虫。いわゆるキャタピラ(カタピラ)の別の言い方はクローラだけど、まあ、いいんじゃないの?ユンボだってセロテープだってホッチキスだってマジックだって似たようなものだし。
自衛隊で大型免許(自衛隊車両に限る)が取得できるのは19歳から(仮免許取得時に19歳の必要があります)ですよ。
ご指摘ありがとうございました。改めて事実関係を確認のうえ、修正と補足をさせていただきました。
ゴローさん(MLM)の免許証がどうなってるか見たい
漫画で出てたっけ?
つまり、ガルパンに出ている乙女たちは『戦車の運転免許』を所持しているということですね(違
劇場版では大型特殊の免許証を持っている事実が出ます。
(免許条件はオリジナルですが)
あれ惜しいんですよね。「大特は戦車に限る」と書いてありましたけど、本来ならあの文言は「大特車は戦車に限る」になるはずなんです。道路交通法施行規則の別表で、「大特」の2文字だけだと大型特殊免許の意味、「大特車」の3文字だと大型特殊自動車の意味、と規定されています。
細かいことではありますが、「車」の1文字を省けることにしちゃうと「普通はAT車に限る」とか「普通でAT車に限る」とかいうおかしな文章が出てきてしまいますからね。(ちなみにこちらのケースで実際に使われる文言は、一般的なAT限定普通免許の場合が「『普通車は』AT車に限る」、身体の障害で原付・小特に乗れない人の場合が「『普通車で』AT車に限る」です。)
水陸両用車の場合、更に船舶免許まで加わります。
「大特車はカタピラ車に限る」は戦車乗りだけでは無く、ブルドーザー等に乗る施設科隊員や小型ドーザー装備部隊の隊員も持ってますよ。
記事では別に書いていますが戦車と野戦砲を運転するのに必要な資格は同じですし、施設科の他にはそれらを整備する武器科でも持っている人が結構居ます。
大砲の移動には牽引免許が必要ですね!
蛇足ながら失礼します。
こういった自衛隊車両は他の民間車両とは違って自賠責保険に加入しておりません(事故が発生した際には国家賠償法で補償される)。
ただ、当然のことながら安全に気を使うのは当然の話で、元自衛官で大型二種を持っていた亡き祖父も、退官後もなお運転には細心の注意を払っておりました。
よく調べていますね。
「大特車はカタピラ車に限る」は限定解除で消えると思います。
最近の自衛隊の免許で、「大型車は自衛隊車両に限る」という限定があるらしいです。
すいません文言は正確ではない可能性が高いです。