中国ステルス機J-20はまだ日本に飛んでこない? 早すぎる配備開始に見るふたつのワケ

もうひとつの理由は「ステルス機であること」?

 そして第二に、中国の切り札であるステルス戦闘機をめったやたらに表に出すとは考えられないことです。J-20と対峙した側はレーダーの反射波を解析することで、J-20のレーダー反射断面積すなわちレーダーへの「探知されにくさ」を逆算することが可能です。

 ゆえにアメリカ空軍においてアラート待機を担うF-22は、レーダーリフレクター(反射器)や外部タンクを搭載し、わざとレーダーに発見されやすくした状態でスクランブル発進させており、またF-35においてもレーダーリフレクターを装着した状態の写真が多く公開されています。仮にJ-20を日本へ接近する飛行に投入する場合、レーダーリフレクターの装着など同じような対策がおこなわれるでしょう。

 以上の理由からJ-20は、少なくとも当面は東シナ海に出てくるとは考えにくく、また仮に日本の防空識別圏内に進入したとしても、意図的にステルス性能を落とした状態となるでしょう。

 中国の航空・軍事分野における貪欲な向上心と潤沢な投資額は恐ろしい水準にありますが、J-20の熟成にはまだまだ時間が足りないのが実情であり、真の意味で実戦が可能になるのは当分先と考えられます。

【了】

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コメント

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3件のコメント

  1. これ、ステルス性があるといっても、例えるならホンダジェットがプロペラ単発練習機程度にしかならない程度の初歩的なものしかないでしょう。そもそも乱反射の原因となる比較的大型のカナードをつけている時点で相当ステルス性がた落ちだし、見た限り外板処理も荒そうだし。ついでにレーダー吸収塗装の電波吸収率や耐久性にも疑問がある。ただしミサイルの全てを機内収容しているのは立派だが。たぶんJ-20はあくまでも試験的ステルス機(空飛ぶ遼寧)と思った方がまし。それか、H-8(Tu-16)の代替機としての対艦艇攻撃機か。いづれにしても空中戦でまともに戦えるとは思えない。

  2. J-20のレーダー反射断面積だっけかを測ったら、案外ユーロファイターやFA-18E/Fと大差ないかも。油断は禁物だが、中国のモノマネ航空技術が、真似元のロシアを上回るとは思えない。

  3. ___123___???????J-20??????????????????????????????? | ????????___123___