車内を再現、「国鉄の香り」商品化へ!? 制作者と識者に聞く、そもそもどんなにおい?

結局どんなにおいなのか

 実態のわからない「国鉄の香り」。その言葉から思い出されるにおい、あるいは記憶は、人によってもさまざまでしょう。

 貝塚公園と同じナハネフ22形客車を展示している鉄道博物館(さいたま市大宮区)の奥原哲志学芸員によると、「確かに、当時の車両で共通するにおいをお感じになる方はいらっしゃいます」とのこと。「やはり塩素系の、消毒剤のようなにおいですが、当時の消毒剤について詳しくはわかっていません。ただ展示車両について言えば、たとえばタバコのにおいが染みついていたようなものもあり、ひと通り清掃していますので、それぞれが当時のにおいを残しているわけではないかもしれません」と話します。

 1938(昭和13)年に生まれ、数々の国鉄車両に乗車した鉄道研究家の原口隆行さんによると、「昭和30年代には都市部の電車で、検査から出場したばかりのときなどに消毒剤のにおいを感じました。しかしより印象に残っているのは、SL時代の客車に染み込んだ煤煙や、床が木造の車両で強かったニスのにおいなどですね」と振り返ります。「電気機関車が牽引するブルートレインの客車や、電車特急などでは、車両のもともとのにおいというより『人』のにおいが思い出されます。ひと晩走って朝起きたときの車内は、もわっとした空気があって、何ともいえないにおいが漂っていた」そうです。

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京都鉄道博物館に展示されている国鉄時代の寝台電車583系。原口隆行さんは「ひと晩走って寝台から座席に切り替わったあとに乗車すると、何ともいえないにおいを感じた」という(太田幸宏撮影)。

 ちなみに「国鉄の香り」フレグランスを調香したバリバリ―の須山麻衣子さんは「Readyfor」のページに「クッションの肌触り、車窓から見える景色ガタゴト響く振動、旅の途中で食べたお弁当。この香りを嗅ぐと、ひとたびその光景が目の前に一瞬にして広がります」とのコメントを寄せています。

 やはり、「国鉄の香り」といって思い出される記憶は、人それぞれ異なるようです。

【了】

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コメント

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5件のコメント

  1. 当方と皆さん(国鉄時代に既に生誕していた方に限る)が想像する香りはだいたい一致していると思う。
    あの匂いと専務さんの検札、車内販売のお姉さんは私にとってはワンセットのつもりだ。

    在来線時代の「あさま」が懐かしい。
    いや、子供の頃は“あさまの匂い”とワケのわからない命名をしていただろうか?

  2. 子供の頃は茶色い国電の車内の香りが大好きでした。

  3. 是非、購入したいです。
    購入方法を教えて頂きたいです。

    • 文中にもあるクラウドファンディングサイト「Ready for」の「ついに!COQTEZ 『 国鉄の香り 』ルームフレグランス 初の商品化」です。

  4. 買おうかなと思ったら、高すぎてびっくり。

    少量生産だからかもしれませんが、
    庶民的な国鉄も香りとなるとなぜか高級品ですね。