北海道新幹線、開業初年度は54億円の赤字に 一部廃止の留萌本線は収支「改善」

JR北海道在来線の収支、ベストとワーストは

 JR北海道は新幹線に加え、在来線についても営業係数を発表しています。その「ベスト」「ワースト」各5線区は、次のとおりです。

●2016年度営業係数ベスト5(カッコ内は2015年度比)
(1) 札幌圏:113円(+8円)
(2) 室蘭本線・長万部~東室蘭:143円(+28円)
(3) 北海道新幹線・新青森~新函館北斗:146円(前年度なし)
(4) 函館本線・岩見沢~旭川:170円(+23円)
(5) 石勝線+根室本線・南千歳~帯広:176円(+49円)

●2016年度営業係数ワースト5(カッコ内は2015年度比)
(1) 根室本線・富良野~新得:2636円(+782円)
(2) 札沼線・北海道医療大学~新十津川:2609円(+396円)
(3) 日高本線・苫小牧~鵡川:1827円(+1025円)
 ※盛土流出による運休の影響で、前年度との増減は2014年度実績を使用。
 ※バス代行輸送を行っている日高本線・鵡川~様似間は1757円。
(4) 石勝線・新夕張~夕張:1681円(+493円)
 ※夕張市が廃止に合意。
(5) 根室本線・滝川~富良野:1210円(+200円)

「札幌圏」は函館本線の小樽~札幌~岩見沢間、千歳線と室蘭本線の白石~苫小牧間、札沼線の桑園~北海道医療大学間を指します。2016年度は、新千歳空港の利用増により増収になったものの、老朽化した高架橋などの修繕費や、快速「エアポート」用に733系電車を増備したことによる車両の減価償却費が増加したため、営業損失は拡大しました。

 なお、前年度のワースト5に入っていた留萌本線の営業係数は、深川~留萌間が2015年度の1342円から2016年度は987円に。2016年12月に廃止された留萌~増毛間は、2015年度の2538円から2016年度は715円にそれぞれ大きく改善。JR北海道は、「廃止前にご乗車に向かわれるお客様のご利用が増加したことにより増収」となったとしています。

 JR北海道全体の営業係数は、2015年度の155円から、2016年度は11円増えて166円でした。鉄道事業の収支をみると、2015年度に続き2016年度も全線区で赤字に。832億円の収益を上げるために要した費用は1366億円で、損益はマイナス534億円でした。

 ちなみに北海道新幹線(新青森~新函館北斗)の収支については、JR北海道が、開通を翌春に控えた2015年12月に想定を発表。約111億円の収入に対し支出は約160億円、差し引きおよそ48億円のマイナスになる見通しを示していました。

【了】

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コメント

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15件のコメント

  1. 54億の赤字ですか
    だから 新幹線を開業させたのが大間違いだといったじゃないか
    新幹線なんか廃止して 四季島を寝台特急にして 函館~八戸間の特急を復活させましょう

    • アタマお花畑ですかあ?
      本州~北海道に移動するのに鉄道を利用するのは、鉄オタとカネ持ちくらいだよ。
      いまLCCで成田~千歳は往復1万かからない。
      そんな時代に新幹線はおろか、それよりも高額で長時間かかる寝台列車なんて、誰が利用するっていうの?

  2. ここまで来ても、労組上層部は函館〜新函館北斗のICカード導入反対とか、SAPICAとの連携反対とか、乗客を馬鹿にした、明らかに不利益な対応をし続けるのか?
    ふざけるな!

    • 10年ちょっとでこの区間の在来線はJR北海道の管轄からはずれる予定なので、ICカードシステムに投資するメリットは薄い、と考えたのでしょう。
      何か勘違いされているかもしれませんが、少なくともこの区間の全ての駅の改札をICカード対応にしなくてはならない、ICカードシステムのためのネットワークをひかなければならない。そのための維持管理コストが『今まで自動改札機がないような駅にも』必要になる。
      たった10年ほどのために、投資しようと思いますか?
      これを投資する価値があるなら、3セク化にはならないはずです。

    • SAPICAは暗号鍵などで他のIC乗車券と違う制御かけているので双方向共通利用は難しいんですよね。もしやろうとすると全ての改札機の改修が必要になりますから、JR北海道としても労組どうこう以前に渋るのは当たり前の話です。
      他地域からの乗客へのサービスとしてもkitacaは全国共通利用対応ですが、SAPICAは上記の理由で一部片方向のみですしね。
      (SAPICAは三セクに乗車券システムやらせたからこうなったとしか…)

      函館近郊のICカード化も経営分離後に受け持つ三セク及び沿線自治体の維持負担を考えたらおいそれと導入はできないでしょう。簡易改札機も安くはないですからね。もし無人駅で壊されたら長い距離走って修理にいく手間もかかります。
      (全列車ワンマン化してバス型改札機入れるなら可能かもしれませんが)

    • むしろ函館圏のICカードは「ICAS nimoca」で統一しちまった方が良いんではないか。
      いまさらJR北が置き土産でKitacaを導入したところでメリットがあるとも思えないし、システム的にはその方がむしろ安く付くであろうし。地元民としても函館バス・市電と乗継割引のある方がナンボかマシでしょう。

      JR北海道は札幌圏+新幹線・特急の運営会社に特化する方向性で行くしかなかろう。もちろん線路の上下分離は最低限の話で、それでも経営は相当厳しい。
      なお、JR東が根本受益分として北海道新幹線の経費の相当程度を分担している事を考えると、新幹線の札幌延伸とともに青函トンネルの負担を引き受ける密約くらいはありそうな話であると思う。
      ※現状で新青森-新函館北斗の経営をJR北に持たせているのは、JR北に新幹線運営のノウハウを勉強させる良い題材になること・津軽線経営分離問題を顕在化させない等のメリットがある。そこには国鉄分離の修羅場を経験したJR東や政府当局として「ぬるま湯的な経営支援では体質改善が期待できない」から修羅場を潜らせる判断もあるのでしょうが、その点で現状でのJR北・北海道庁・札幌市の当事者意識の希薄さは気掛かりではあります(新幹線札幌駅ホームの位置問題など)。

  3. 正直なところ、北海道新幹線は青函トンネルを渡る必要はなく、北海道内で閉じていまの在来線特急の置き換えと、不採算在来線の切り離しにしたほうがいい。
    北海道内観光地の移動の短時間化で、一回の旅程でより多くの観光地を巡ってもらえるだろう。
    なんなら青函トンネルも手放して、JR貨物に維持させればいいんだよ。
    本州からわざわざ新幹線に乗ってくる酔狂な人等のために余計なコストをかけ過ぎだわ。

  4. 国鉄の分割民営化当時に、労務対策上なのか、旅客と貨物を分けたが、北海道に関しては一緒にしても良いのではないか。人口密度が低くて旅客輸送の成り立ちにくい所でも、貨物の需要を掘り起こせる場合がある。
    大型掘削機械を使った大規模な石炭露天掘り、石炭貨物輸送、IGCCの石炭火力発電、経済的にCO2を収集貯留する技術の開発、の4点セットで振興を図れないか。

  5. 新幹線開業で青函を在来線が定期で往き来できない理由は仕方ないとしても、今更に冬が近付くと赤字報告なんぞは少々耳障りになってきたな、なんだか関門を往き来している普通列車の腐食の様を北海道新幹線に重てしまうけどね

  6. 皆さん長野新幹線が金沢延伸前は赤字だったことを忘れてないかい?
    札幌延伸込みでどうなるか、沿線の経済効果も合わせて見ていかなければ駄目でしょう。
    今結論出すのは、時期早々だと思いますよ。

    • 九州のように当地から順に開業してりゃよかったかもしれませんね、先ずは青函を旅客に限っては新幹線強要にした事の理由の裏では新幹線と貨物のダイヤを潜り抜けてまで観光列車だけは走らせる見苦しさと言うか、やはり民社の皮を被ったJNRなんじゃないですかね

  7. ともかくJR北海道に新幹線やらせるの止めさせようや。
    何やらかしてくれるか、気が気じゃない。
    企業体質なんてのは、そうそう変わるもんじゃない。

  8. 北海道新幹線の収支はまあ予想通りでしたね。
    とはいえ来年度経営努力でどれだけ持ち直す見守るべきですが、来年度悪化であればいろいろ考えざるを得ないでしょう。
    上越新幹線も完成当時は政治的な関りを問われたり2両で走る風刺漫画があったりと散々でしたが、今では言うまでもなくだし。

  9. せめて札幌駅までは延伸して欲しい

  10. 初年度は開業設備の投資分でマイナスになるのは分かってることなんだけどね。北海道新幹線を札幌から開業させればよかったのに。
    さすがに北海道新幹線はJR東日本の睨みが効いてるだけあるね。JR北海道の会長がJR東日本の元常務で保守屋ってだけで、鈴付いてることが一目瞭然。