飛行機とクルマのタイヤ、なにが違う? 構造、素材、運用…実はほとんど別物

耐える衝撃が大違い、空気圧はクルマ用の5倍以上!

 大型旅客機を代表するボーイング747-400は、機体の重量が主翼だけでも約43tあり、乗客、燃料、貨物を満載にすると約397tにもなります。それを支えるタイヤは、主脚に16本、前脚に2本、計18本を備えており、1本あたりの重量は120kg、タイヤだけでも2t以上あります。

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着陸する日本国政府専用機747-400。合計18本のタイヤで着陸の衝撃に耐える。(2017年、石津祐介撮影)。

 機体は、離陸時には約290km/h、着陸時には約260km/hの速度となり、このスピードで滑走路に接地するわけですから、タイヤにかかるエネルギーは相当なものになります。これを支えるためにタイヤの空気圧は高めに設定されており、その数値は1200~1400kPaと、乗用車の平均的な空気圧の250kpaと比べて5倍以上の高圧です。そして素材の酸化防止や火災時の爆発リスクが抑えられるという理由から、充填には乗用車にも普及している窒素ガスが利用されています。

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スイスのマイリンゲン基地にて、滑走路に残ったタイヤ痕。離着陸の度にタイヤが磨耗するのは軍用機も民間機も同様(2017年、石津祐介撮影)。

 航空機のタイヤはまた、温度差の激しい状況にもおかれます。離着陸時の摩擦でタイヤの表面温度は400度以上になり、また飛行中は高度1万mに達すると外気温がマイナス45度にもおよび、格納されていても相応の冷気にさらされます。そうした過酷な環境や、先述のような激しい衝撃に耐える素材、構造が採用されているのが航空機用タイヤで、クルマ用タイヤとはずいぶん異なるものです。

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コメント

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2件のコメント

  1. 沢山のタイヤで分散するといっても
    接地し始めるときは1本からでしょうしね

  2. 横浜ゴムは航空機用タイヤから撤退しています。