飛行機とクルマのタイヤ、なにが違う? 構造、素材、運用…実はほとんど別物

運用も航空機ならでは 「リトレッド」とは?

 さらに、その運用もクルマとは少し異なっているといえるでしょう。航空機用タイヤは離着陸の度に摩耗し、グルーヴと呼ばれる表面の溝がなくなると交換されます。747-400であれば約200回程度の離着陸で交換となります。

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767-300の前脚タイヤ。グルーヴと呼ばれる溝が入っている(2017年、石津祐介撮影)。

 交換といっても新品に交換するわけではなく、トレッドと呼ばれる接地しているゴムの部分を交換する「リトレッド」を行い再利用します。リトレッドは通常であれば5~6回程度行われるので、タイヤ1本あたり1000回以上の離着陸を耐えることになります。

 なおこのグルーヴ(=タイヤの溝)ですが、旅客機の場合、クルマと異なり特に夏用、冬用といったものはなく、年間を通して同じタイヤが使用されています。

 ちなみに、航空機用タイヤもパンクします。

 先ほど述べたように、航空機用のタイヤには強い空気圧がかかっており、着陸時の衝撃に対して強度が保たれています。またタイヤ自体も最新のラジアルタイヤは、異物を踏んでもダメージを受けにくい多層構造になっています。また大型機では、主脚のタイヤ数を増やすことによって衝撃を分散させています。

 このようにタイヤ自体のパンクのリスクは低いのですが、滑走路に落下したパーツを踏んだケースや、ブレーキやギアの故障で予期せぬ衝撃でタイヤが破損するケースは稀にあるようです。

[11月26日12時50分追記]記事に1部、記述の誤りがありました。訂正しお詫びいたします。

【了】

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Writer: 石津祐介(ライター/写真家)

専門誌を中心に、航空機の取材、撮影を行うライター、写真家。国内外を問わず世界各地の空港やエアショーなど取材。航空機以外にも野鳥、アウトドア、旅行など幅広いジャンルの取材を行っている。

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コメント

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2件のコメント

  1. 沢山のタイヤで分散するといっても
    接地し始めるときは1本からでしょうしね

  2. 横浜ゴムは航空機用タイヤから撤退しています。