ダイハツ「ミラ・パルコ」 服飾とクルマのコラボ! バブル期地方女子はどう見た?

ダイハツ「ミラ・パルコ」の「パルコ」は、あのファッション・ビルのパルコです。なぜ、なにを狙ってファッションとクルマのコラボが実現したのでしょうか。また、ターゲットの女性にはどのように見えていたのでしょうか。

ファッションとクルマ、異色のコラボ

 1980~90年代を彩る名車たちの姿を過去の記憶から思い起こす時、その風景のなかに、ダイハツ「ミラ・パルコ」の姿が一緒に浮かんできます。当時、ファミレスやカラオケなど、若者が集まる駐車場には必ずと言っていいほど、「ミラ・パルコ」の姿がありました。軽自動車のなかでも特別感があり、しかも女子っぽいということで、いわゆる「クルマ好き男子の彼女御用達車」だったのでしょう。「スープラ」や「シルビア」と並ぶと、カクカクちんまりとしたフォルムがますますかわいく見えたものです。

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3代目「ミラ」ベースの「ミラ・パルコ」は1991年9月2日発売(画像:ダイハツ)。

 初代「ミラ」は、1980(昭和55)年にデビュー。当初から女性向けをうたう商品コンセプトと販売戦略でしたが、1985(昭和60)年2月、さらに女性ユーザーにターゲットを絞り込み、セゾン・グループ(当時)のファッション・ビル「パルコ」とコラボレートして生まれたのが初代「ミラ」をベースとした特別仕様車、最初の「ミラ・パルコ」です。自動車メーカーとファッション・ビジネスが本格的にタイアップし、全国的なキャンペーンまで行うというのは、当時の資料によると、日本初のことだったといいます。

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初代「ミラ」の1983年にマイナーチェンジした後期型。84年の写真であり「ミラ・パルコ」ではないが、すでに女性向けというキャラクターを確立(画像:ダイハツ)。

 この「ミラ・パルコ」、ダイハツのショールームだけでなく、全国11ヵ所のパルコでも実車を展示、販売したことで、話題になりました。「洋服買いに行くついでに、クルマも買っちゃう?」みたいな、バブルの走りのフワフワした空気感満載な企画です。本当にそこでクルマを買うのかは別として、「パルコに来るのは電車で2時間かけてバーゲンの時だけ」というような地方女子にとっては、グッとくるアピール方法でした。ちなみに、よく「やっぱり、●●●(某ファッション・ビル)よりパルコの方が店員かわいいよね」とか言っていましたが、あれも相当な思い込みですね、いま考えると。そのくらい、「パルコ」の名には威力がありました。

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3件のコメント

  1. ダイハツだったら、ミラTR-XXが圧倒的に速いですね!

  2. 正直、CMソングの元歌を正しく歌える自信がない。たしか60年代の曲だったと記憶するが(題名度忘れ。)

  3. 西武セゾン系ってのが殊更に勢いあって憧れすら抱かれてた時代だ。
    ハイゼット・サカゼンとか言って遊んでたのが懐かしい。
    そういえばMUJI Carってあったな。