東京~大阪9時間、長距離「昼行バス」の魅力とは 夜行バスより安くて楽しい?(写真20枚)

東京~大阪9時間の「昼行」、実際に乗ってみた!

 500km越え長距離昼行高速バスの代表格ともいえるJRバスの「東海道昼特急号」、そのハイグレード便である「グラン昼特急号」に乗車してみました。

 私(須田浩司)が乗車したのはジェイアールバス関東のバスで運行される「グラン昼特急9号」で、東京駅を10時10分に発車し、約9時間かけて大阪駅を目指します。車内は新型クレイドル(ゆりかご)搭載した3列独立シート28人乗りとなっており、夜行便「グランドリーム号」と同じく座席には電源コンセントや、通路側の仕切りカーテンも備えられています。

 道中美しい景色を眺めながら、ゆったりとした時間が流れていきます。途中、東名高速足柄SA(下りは静岡県小山町)、浜名湖SA(同・浜松市)、新名神高速甲南PA(滋賀県甲賀市)の3か所で15分から30分の休憩がとられます。なかでも最後の休憩場所である甲南PAでは30分停車するので、フードコートで食事をとることも可能。ただし「グラン昼特急号」は、利用者のプライバシー確保などの観点から発車前の人数確認を実施しないため、乗り遅れないよう注意が必要です。

 東京駅を発車して約7時間30分後、京都駅烏丸口に到着。もしも運行が遅れている場合には、こちらで下車して新幹線や在来線で目的地へ急ぐことも可能です。その後、名神高槻(大阪府高槻市)、千里ニュータウン(同・吹田市)の両バス停で降車扱いを行い、終着の大阪駅JR高速バスターミナルには19時過ぎに到着しました。

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「グラン昼特急9号」の車窓。東名高速足柄SA付近(須田浩司撮影)。
「グラン昼特急9号」で約30分の休憩がとられる新名神高速甲南PA(須田浩司撮影)。
京都駅烏丸口に到着した「グラン昼特急9号」(須田浩司撮影)。

 新幹線で約2時間半の東京~大阪間を、約9時間かけて走破する「グラン昼特急号」ですが、実際に乗車してみると想像していたよりもあっという間に感じました。この路線の魅力は、「流れゆく車窓の美しさ」「気分転換にもなる途中休憩」「充実した車内設備」の3つだと思います。ゆったりシートに身を委ね、時間を忘れてのんびりできるのは、ある意味贅沢なバスなのかもしれません。

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コメント

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11件のコメント

  1. だるまさんが転んだ?日によったらジワジワ夜行運賃との距離をつめてきてるようだけど?

  2. 中国バスの広島・福山~横浜間「やじきたライナー」は衝撃的だったなあ。
    3列シート車を使用してほぼ一昼夜、東名・名神・中国・山陽を駆け抜けた、今やバスヲタぐらいしか記憶に留めていない伝説の昼行便。ああいうの個人的に大好きなんだが、さすがに乗る人間なんて皆無に等しく1年くらいで止めになってしまった・・・。

  3. 昼運行の長距離高速バスに需要があるということは、
    在来線特急にも需要が まだまだあるということでしょう。

    2時間じゃ、寝る暇もないけど、5時間ならちょうどいいみたいな。

    会社違うってこともあるでしょうが、
    名古屋~奈良~難波 静岡~甲府~松本みたいな路線も
    ありなんじゃないでしょうか?

    • JRの事情、というよりメンツを度外視すればズバリ東海道本線の東京~大阪間こそ該当するのではないか。東海道新幹線が開業して半世紀以上、灯台もと暗しそのもののような気がするが、沿線の区間客ぐらいは大分拾えるかなとは思う。いや、あれほどの移動客がいれば、少ないながら東名阪相互直通客もいるだろう。新幹線に嫌気する人間も一定数いるような気がするが。

    • >名古屋~難波/奈良
      まさに近鉄特急ですね

    • 昼行の場合大多数が「寝たい」というより「寝るしかない」でしょう。乗車中これといってやることないですから。スマホなど凝視していれば車酔いしかねませんし。

      ちなみに東名阪直通の在来線特急は料金面から論外ですね。近鉄名阪特急における名阪間通し乗車の客層考えてもらえればスピードも価格競争力もない(しまかぜのようなものを除く)ただの特急は淘汰されるのがオチです。
      (例として東京~名古屋なら乗車券+A特急券自由席で8850円なのでそれなら+150円でぷらっとこだまなりスマートEXこだま早得なり使うでしょう)

      しいていえば新幹線の通っていない地域で特急ではなく急行として沿線乗客を新幹線駅まで細かく拾っていくほうがまだ存在価値はありそうですがそれなら快速列車でもいいわけで…いずれにせよ「しなの」大阪乗り入れ止めるくらいなので難しいでしょうね。

    • ああ、だったら「しまかぜ」以上の車輛でも考えりゃいい。クルージングトレインみたいなやつを。難しいことはないな。勿論、JRの意向からしてそりゃないんだろうけどw

      発想を転換する。乗車資格はジャパン・レールパスの所持者のみ。運賃部分はパスで免除し、グレードに応じた料金券を買って貰う。
      1日上下各1本でいいだろう。東海道本線のメジャー駅にでも停めりゃいい。
      我々日本人客が指を加えて見るようになったところで、JRには1日10名程度の日本人客枠を作ってもらう。運賃料金計50000円程度かな、東京~大阪間で。

      少し変わった形の在来線特急だが、虚栄心がくすぐられるのも悪くないだろう。大分主旨が外れたように見えるが、根本はJRの昼特急ど何ら変わりはない。

  4. 去年の10月9日に東京、岐阜間を往路各駅、復路新幹線で往復。岐阜で午後4時からの業界関係の叙勲祝賀会出席で出来たこと。新幹線指定席が4,830円、乗車券が6,480円なので、つくづく新幹線は安い!と思った。往路の各駅7時間、復路の新幹線3時間なので、1時間を約1,200円で買ったことにはなるのだが。
    それはそれとして、各駅停車の旅は、楽しかった。熱海、島田、豊橋の乗換3回。旅情、車窓風景、駅構内散策(トイレ含む)等、閑散とした車内でボックスシート一人締めは、バスでは出来まい。乗換時間は5分程度しかなく、ダイヤは不快感なし。
    東京、名古屋間の高速バスの乗車体験はあるが、電車もいいですよ。

  5. オリオンツアーの夜行バス良かったですよ。

  6. 夜行バスだと寝れなくとも明るくせず身じろぎせず座っていなきゃ行けませんが、昼行便なら景色見ようが、本読もうがスマホ見ようが問題ないのが魅力。
    途中休憩もあるしトイレへも行きやすいので気が楽です。

  7. 電車みたいにゴロンとシートがあれば使うんですがね。
    いすに縛り付けられるのはかなり疲れます。