揺れる国産戦闘機開発、断念か継続か どうなる空自F-2後継機問題

国産戦闘機開発、F-2の場合

 共同開発とはいうものの、実際に開発機をアメリカで採用する予定もなく、日本側にベース機体のF-16とエンジンのライセンス生産を許可するという内容でした。そしてアメリカ側は、総生産額の40%の作業分担の確約と、提供するソースコードには制限をかけ、日本側の技術は全て提供する、というかなり偏った合意内容でした。

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ベースとなったジェネラル・ダイナミクス社のF-16(2016年、石津祐介撮影)。

 製造を行った三菱重工は、設計において垂直尾翼以外は全て再設計し、翼面積の拡大、炭素繊維強化複合材を用いた軽量化などが行われ、アメリカから飛行制御のソースコードが提供されなかったため独自でフライ・バイ・ワイヤのシステムを開発します。さらに戦闘機としては初めて、多くの目標物を同時に探知し妨害電波にも強い高性能レーダー「フェーズドアレイレーダー」を搭載。こうして完成したF-2は2018年3月現在、青森県の三沢基地、宮城県の松島基地、福岡県の築城基地に配備されています。

 そのF-2ですが、退役は2030年ごろから始まる予定で、後継機について防衛省は、2019年4月から始まる「次期中期防衛力整備計画」にて、国産開発か共同開発か輸入するのかを2018年夏ごろまでに決定するとしています。

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飛行開発実験団のテストカラーF-2(2016年、石津祐介撮影)。

 国産化を目指すには当然ながら膨大なコストがかかる上に、現状では輸出が見込めないため、海洋進出を図る中国や北朝鮮の核ミサイル問題など、周辺諸国への対応を迫れているいま、時間をかけて新規開発をするよりは、国際共同開発を行う方がメリットもあるといえるでしょう。現在、ドイツとフランス、イギリスとアメリカがそれぞれ戦闘機の共同開発を検討していると報じられています。この開発に参加するのが現実的かもしれません。

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コメント

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4件のコメント

  1. より高性能になるなら共同開発でもいいんじゃないの
    イギリスは今EUから抜けて相手欲しがっているし、結局は米英に混ざるのが良いのでは
    あとF35では購入までだいぶグダグダやったせいで優先国になれなかったわけだし

  2. そもそも支援戦闘機の任務を考えればF-35しかないだろう。
    FSX計画がまだ続くのならな。
    そもそもFXでF-35を採用するには任務上本来有りえない話だろう。

  3. アメリカだけじゃもう集団的自衛権にはならない

  4. ちょっと待て、

    台湾のIDFはアメリカの協力もあってF-16をベースに開発しているが
    その大部分は台湾が開発したのだ。エンジンはアメリカから小型のものしか
    輸入できなかったのだが。それでも、開発の主導権はほぼ台湾側にあった。

    ならば、日本でもできるはず。。。。って
    アメリカポチ政権の安倍じゃ難しいってことなのかな?