小田急の新ロマンスカー「GSE」ここが注目! 乗って分かった新サービスの面白さ(写真14枚)

前面展望が無線で飛んでくる!

 スマホでオリジナルコンテンツの方にアクセスしてみると、メニューには「展望映像」という文字が躍っていました。「GSE」の運転台から撮影した映像が、Wi-Fiの電波で中間の車両にも飛んでくるのです。「展望映像」の文字をタップしたところも、先頭1号車の運転台から見える線路や、すれ違う列車の姿が映し出されていました。カメラは展望席の上にある運転台に設置されているため、展望席より視点が高くなっています。

Large 180315 gsesijou 11
「GSE」オリジナルコンテンツのリアルタイム展望映像(2018年2月、草町義和撮影)。

 映像の脇には「後展望」というボタンがあり、これをタップすると後方7号車からの映像に切り替わりました。ちなみに、非常ブレーキが作動したときは映像が自動的に中断するようになっているといいます。

 しかし、この映像は本当に「リアルタイム」なのでしょうか。「実はあらかじめ録画しておいた映像なのでは」などと、つい意地の悪いことを考えてしまいます。そこで改めて、7号車の前面展望席に向かいました。

 スマホに映し出される画面を「後展望」にセット。展望窓の脇にスマホの画面が来るよう手に持ち、右目で展望窓の景色、左目でスマホの画面を見ます。展望窓の景色が暗闇のトンネルから明るい地上に移ると、スマホの画面もトンネルから地上に移り、脇の線路を通勤電車が通り過ぎると、スマホの画面にも同じ通勤電車が姿を現します。間違いなくリアルタイム映像でした。

 ロマンスカーの前面展望席は人気が高く、とくに最前列の席は予約が取りにくいという印象があります。自分の目で直接見るより「画質」は落ちますが、展望席の予約が取れなくても前面展望を楽しめるようになった点は、大きなサービスアップといえるでしょう。

Large 180315 gsesijou 12 Large 180315 gsesijou 13 Large 180315 gsesijou 14
インターネットとオリジナルコンテンツへの接続方法は座席の背面に記されている。
前面展望席の展望窓から見える景色(右)とオリジナルコンテンツの展望映像(左)は同じ。リアルタイムで配信している証拠だ。

「GSE」は3月17日(土)、新宿9時00分発の箱根湯本行き「スーパーはこね5号」から営業運転に入ります。「GSE」で運転される列車は日によって変わりますが、新宿~箱根湯本間の「はこね」「スーパーはこね」を中心に「さがみ」「えのしま」「モーニングウェイ」「ホームウェイ」でも運転される計画です。

【了】

この記事の画像をもっと見る(13枚)

Writer: 草町義和(鉄道ニュースサイト記者)

鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

4件のコメント

  1. 正面左右のグレーが気になってしょうがない。
    黒にすれば目立たなくてパノラマ感があったと思うのだが、理解できない。
    それと全体的にのっぺりした感じがしてLSEのような「ロマンスカー」って感じがしない。
    こりゃブルーリボンは無理かな。

    • いや、多分ブルーリボンは獲れると思う。
      今のところ、聞いている限りあの流線型のフォルムは概ね好評だ。
      ブルーリボンよりもグッドデザイン賞の方が先か?

    • 「これぞロマンスカー」と思わせる特徴がなく、他社の最新型特急車両となんら変わらない点を審査する側がどう判断するかだね。

      もし西武の新型特急車が今年度中にデビューしていたなら間違いなくそっちに奪われていただろうが、いまのところはライバル不在で独走態勢。

      しかしながら正直、ブルーリボン賞はコアなファンが審査することになるので、「該当車両なし」の得票に負けたという理由での選外は少なからずあると思っている。
      EXEのときも、車両別の得票ではトップだったが「該当車両なし」の得票がそれをも上回ったことからブルーリボン賞を受賞できなかった。

      グッドデザイン賞はお役所と業界団体の出来レースだし、あくまでもあれは「工業製品」としての評価なので、ブルーリボン賞ほど価値はない。

  2. こりゃ機関車で牽引されりゃ格好いいかもね