高速バスは渋滞を迂回できないの? 例外あれど基本不可 迂回してるバスも実は…

渋滞の迂回を可能にしている事業者も

――渋滞回避のために迂回することはないのでしょうか?

 渋滞を想定して複数の経路を国に申請し、認可を受けている場合は、別ルートをとることもあり得ます。

 このようなルート申請をどこまで行うかは、路線あるいは事業者次第でしょう。たとえば東京を走る空港連絡バスなどは、首都高が経路の中心になりますので、さまざまな迂回ルートが想定できるわけです。ここがふさがっている場合はここを通る、というように事業者があらゆるパターンを想定し、一般道への迂回も含めた複数ルートで認可を受けており、比較的柔軟な運行ができることもあります。

※ ※ ※

 高速バスの場合、著しい渋滞や冬季の運行確保などを想定し、国から迂回路を含めた複数ルートを認可されていれば、原則として乗客の利用を損しない範囲で迂回は可能です。

 近年は、たとえば東名高速に並行する新東名高速や、都心およびその近郊から地方へ放射状に延びる路線どうしをつなぐ圏央道が整備されるなど、ルートの選択肢が広がってきています。国土交通省によると、2015年に常磐道が仙台まで開通して以降、GWなどの多客期に、仙台発着の高速バスが東北道から常磐道へ迂回するケースもあるとのこと。これについて日本バス協会は「常磐道が仙台まで通じたことを受けて、渋滞回避のため東北道のほか常磐道経由ルートの認可を受ける事業者が増えたのでしょう」と推測します。

 ちなみに、東京方面へ向かう一部の高速バスでは、都心部における高速道路の渋滞を想定し、途中で鉄道へ乗り継げるサービスも実施されています。首都高の八潮PA(埼玉県八潮市)、用賀PA(東京都世田谷区)に停車する一部のバスで行われているもので、前者はつくばエクスプレスを八潮駅から秋葉原駅まで、後者は東急田園都市線を用賀駅から渋谷駅まで、それぞれ100円で利用できます。

※一部修正しました(2018年5月11日)

【了】

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コメント

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5件のコメント

  1. ずーっと昔、秋田発新宿行のフローラ号で霧のため宇都宮あたりから一般道走ったことがある。
    深く考えたことなかったが、以外に面倒なんだな。

  2. より柔軟どころか、今や貸切バスもルートガチガチみたいでねー。

  3. 自分もよく使う手ですが名古屋方面から京都に向かい京都東から京都市内に向かう道が混むと京都南インターから市内に回り込みますが、JRバスも昔はこの手を使ってたようです。

  4. 名神高速内(以外でも?)の右ルート左ルートの選択はあるらしく?、例えば京阪高速バスだと「このバス停(具体的には名神大山崎と名神高槻)に混雑期は止まらないこともありますよ」とバス案内パンフレットには記載してますね。
    まぁ関西(以西)=関東は東名阪亀山付近と東名大和辺り?以外は線数増えましたからね。

  5. GWには被災地も渋滞してるのかな?