無料化道路の「再有料化」なぜ検討 利用者負担で課題解決なるか 福岡・八木山バイパス

福岡県内で、いちど無料化された道路の「再有料化」が検討されています。無料化により交通量や事故が増えたため、4車線化を早期に実現するためのいち手法だといいますが、県民の理解を得ることはできるのでしょうか。

無料化で交通量2倍に

 道路建設費の償還期間などを終えた有料道路が無料化された例は全国に存在しますが、いったんは無料化したものの、管理者である国が「再有料化」を検討している道路があります。

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八木山バイパスにあった旧篠栗料金所。無料化にともない撤去された(画像:NEXCO西日本)

 それは、福岡県篠栗町と飯塚市を結ぶ国道201号「八木山バイパス」(13.3km)です。同バイパスは1985(昭和60)年に開通し、日本道路公団を経てNEXCO西日本が管理していましたが、2014年10月に無料開放され、現在は国土交通省が管理しています。無料化前の通行料金は普通車で530円でした。

 国土交通省が無料化からおよそ1か月後に発表した資料によると、交通量は平日・休日ともに約2倍となり、並行する国道201号や県道の交通量は半減、八木山バイパスへの転換が図れたとされていました。これをなぜ再び有料化するのか、国土交通省九州地方整備局に話を聞きました。

——なぜ八木山バイパスの再有料化を検討されているのでしょうか?

 無料化以降、渋滞や事故が増えたことを背景に、福岡県から利用者負担による財源確保も視野に入れ、4車線化してほしいという要望を受けてのことです。現状では2車線の対面通行であるため、事故が起きた際に車線がふさがれてしまい、通行車両が長時間抜け出せなくなるという事例が発生しています。

——有料だった時代、そして無料化以降に、どのような対策がなされてきたのでしょうか?

 NEXCO西日本さんが管理していたころは、大きな問題はなかったようです。無料化され国が管理するようになってからは、渋滞対策のほか、本線上に緊急避難路や、途中のICに転回所を設けるなどしてきました。しかし、緊急避難路や転回所は利用できる方向が限定されていることもあり、その後も事故時に車両が立ち往生を余儀なくされる事例が発生しています。

——料金を徴収する期間や、今後のスケジュールなどは決まっているのでしょうか?

 現段階では決まっていません。4車線化の必要性や、再有料化の是非も含めこれから検討していきます。

※ ※ ※

 九州地方整備局によると、無料化された道路が再び有料化された事例がこれまでにあったかは、調べがつかなかったといいますが、いずれにせよ実施されれば珍しいケースになるそうです。

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コメント

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6件のコメント

  1. 無料開放って、結局は税金で維持費賄うだけだからねぇ
    可能な限り自動化して低額の利用料金取って、利益が出たら維持費+並行現道の改良費用に充てる、とかできないもんだろうか。
    10㎞2-300円とかなら負担感はかなり低いんじゃないだろうか。

  2. 私は基本的にあまり道路を拡大するのは好まないのですが、八木山バイパスに限っては直感的に「2車線で無料化するよりもずっと料金を取り続けた上で4車線にしてもいいのでは?」と感じていました。

    4車線にするだけの建設費とその後の維持管理費を通行料金から取って良いと思います。受益者負担の観点からです。

    • それはあなたが毎日ここを通る訳じゃないからでしょ?
      この地域の住民の気持ちはあなたには分からない。

  3. 料金上げるより無料化するか、210円位で徴収しないとダメだが、理解は得られないなら無料で4車線が良いと思います。

  4. 四車線化のために資金が必要だから有料化する → じゃあ追い越し車線だけカネ取ればいいんじゃねえかな

  5. 無料のまま4車線化された道路など他にたくさんある。
    有料にして4車線化というよりも、交通量の抑制目的というのが本音だろう。
    何なら、都市高から八木山BPとを繋ぐBPを造ってもいいと思う。