米海軍「ミリアス」なぜ日本へ? 古いけど新しいイージス駆逐艦、横須賀配備の意義

「ミリアス」が古いけど新しいワケ

「ミリアス」は、もともと2017年夏ごろに横須賀に配備される計画でした。これは2014年10月に、当時のオバマ政権がアジア太平洋地域に最新鋭の兵器を展開させるという考えのもとに決定された計画で、ミリアスのほかにも同じくイージス駆逐艦の「バリー」と「ベンフォールド」が横須賀に配備されると発表され、この2隻は計画通りに配備されましたが、「ミリアス」は船体やシステムの近代化や保守作業がまだ完了していなかったために予定されていた配備時期に間に合わず、結果として約半年以上遅れての横須賀配備となりました。

「ミリアス」が就役したのは1996(平成8)年で、それからすでに20年以上経過しています。つまり、「ミリアス」は決して新しい艦ではありません。しかし、「ミリアス」が備える能力や搭載されているシステムはアメリカ海軍のイージス艦のなかでも最新鋭のものになっているのです。これは、「ミリアス」がいわゆる「中期近代化改修」を受けたためです。

 この「ミリアス」が受けた中期近代化改修とは、さまざまある改修のうち1991(平成3)年に就役したアーレイバーク級の1番艦「アーレイバーク」(DDG 51)を含む7隻のアーレイバーク級を対象に行われた近代化改修で、イージス戦闘システムのバージョン(パソコンやスマホのOSのようなもの)を示す「ベースライン」のなかでも最新のものである「ベースライン9C」を上記7隻の艦に組み込むという内容です。簡単に言い換えれば、古くなったパソコンやスマホに最新のOSをインストールしたということと同じです。

この記事の画像をもっと見る(3枚)

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

1件のコメント

  1. たまに横須賀の米軍基地前でデモやってるけど、恥ずかしいから止めてほしい。
    主義主張は尊重するが、抗議する相手が違うと思う。
    基地前の街宣って、余りにも独りよがりな行動にしか映らないし、普通の住民には奇異に感じてしまう。