日産「シルフィ」EV化の先は? 中国市場狙う日産、そこに見え隠れする死角とは

2018年の「北京モーターショー」にて、日産は電気自動車「シルフィ ゼロ・エミッション」を発表しました。EV化を進める中国の市場へ万全の体制を整えたい日産ですが、懸念材料もあります。

新型「シルフィ」はEV化して中国市場へ

 2018年4月25日(水)に開幕した「北京モーターショー」で、日産は電気自動車である「シルフィ ゼロ・エミッション」を世界初公開しました。これは、コンパクトセダンである「シルフィ」をベースにした電気自動車で、航続距離338㎞を達成。バッテリーは中国製で、2018年後半から中国での発売が開始されます。「シルフィ」とは、かつて日本で「ブルーバード シルフィ」の名前で販売されていたクルマの最新モデルです。

 では、なぜ日産は「北京モーターショー」で電気自動車を発表したのでしょうか。なぜ、「シルフィ」だったのでしょうか。その理由には、中国市場と日産の野望がありました。

Large 180501 sylphy 01
「北京モーターショー2018」にて発表された日産の新型電動自動車、「シルフィ ゼロ・エミッション」(2018年4月25日、鈴木ケンイチ撮影)。

 背景にあるのは、中国政府の思惑です。中国は国策として、自動車の電動化をすすめています。環境対策という側面もありますが、どちらかといえば経済面のメリットが大きいと言えるでしょう。

 自動車の電動化が進むほどに、バッテリーの需要が高まるなど、中国国内の産業発展には効果が絶大です。そのため中国は2025年には、電動車両の年間生産台数700万台を目標に掲げました。2025年の全体の生産台数は3500万台を見込んでいますから、全体の20%を電動車両にしようというわけです。そして、その実現のために、自動車メーカーに対して「2019年から生産台数の10%を電動化車両にしなさい」という規制が始まります。

 つまり、中国で電動化車両が増えるのは決定事項のようになっており、そこで販売を伸ばすには電動車両が欠かせなくなります。ちなみに、電動車両に該当するのは、純粋な電気自動車とプラグイン・ハイブリッド、そして燃料電池車(FCV)です。

この記事の画像をもっと見る(6枚)

最新記事

コメント

Leave a Reply to 二十歳で工場長 Cancel reply

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

4件のコメント

  1. セドグロを葬り、サニーを捨てた時点で既にこの会社のアンテナは海外向けなのですが、名前だけは何故か海を往き来しているようですね
    過去のブルーバードシルフィーのように全く違う車でも販売店系列に配慮したかのような車もユーザー視線に立てない時点で完全な失敗作でしたし
    過去にはブルーバードにL20型や後に駆動方式をFFしてVG20型を搭載してSSSより高級に振ったブルーバードマキシマなんてのも発売してました。
    またeパワーにしてもプリウスとは違い発電専用エンジンからは完全に駆動系が切り離されてるシステムが電気系の故障に如何に対処するのか?
    またEVの普及に対する充電の為の発電のリスクとガソリン車が存続した場合の環境のバランスなどの対策も手放しではないとは思いますが?

  2. ところで、
    せっかくハイブリッドを作っていながらそれをプラグインにしないでいることのメリットって有るの?

  3. 現行シルフィがコンパクトセダンですか・・・
    もっとも簡単な方法ならリーフのシステムをシルフィのシャーシに合わせれば出来るシルフィのEV化より
    シルフィをコンパクトセダンと表現する方が驚いた。

  4. ゴーンになってから日産車はやめた