F-2後継機、無人子機搭載でなにをさせる? 「より高度な管制下で無人機の運用」とは

2018年4月、空自F-2後継機に、政府は小型無人機を子機として搭載する能力を考えていると報じられました。子機を搭載して、どのようなことを可能にしようとしているのでしょうか。

防衛省が描く将来の戦闘機のビジョンとは

 防衛省は2010(平成22)年8月に、将来の航空自衛隊の戦闘機に必要な技術を、どのように研究開発していくかをまとめたレポート「将来戦闘機の研究開発ビジョン」を発表しています。

 このレポートでは、F-2が退役を開始する20年後の実用化をめざす5つの技術と、2040年から2050年ごろの実用化を目指すふたつの技術の研究開発を進めていく方針が示されていますが、後者には有人戦闘機と無人航空機を連携して運用するための研究開発「将来アセットとのクラウド」が含まれていました。

Large 20180507 01
ボーイングが2013年に発表した「F/A-XX」のコンセプトCG(画像:ボーイング)。

 読売新聞の報道が事実であるならば、防衛省は有人戦闘機と無人航空機の連携運用能力の実用化を、20年ほど前倒しすることを決めたことになります。

 防衛省が有人戦闘機と無人機の連携運用能力の実用化を前倒しする決断を下したとすれば、その理由はアメリカとヨーロッパで研究開発が進められている、将来戦闘機の多くが、この能力を持つためなのではないかと考えられます。

 アメリカ海軍は現在の主力戦闘機であるF/A-18E/F「スーパーホーネット」を後継する新戦闘機「F/A-XX」の検討作業を進めていますが、「スーパーホーネット」のメーカーでもあるボーイングが発表したF/A-XXのコンセプトCGには、F/A-XXが無人航空機と共に飛行する姿が描かれています。

Large 20180507 02
無人航空機との連携をセールスポイントとして掲げたエアバスの将来戦闘機コンセプトの概念図(画像:エアバス・ディフェンス・アンド・スペース)。

 フランスとドイツは4月25日に、ドイツ空軍のユーロファイター「タイフーン」と、フランス空海軍のダッソー「ラファール」を後継する新戦闘機の共同開発に合意しましたが、ドイツ側の担当企業となるエアバスが2017年に発表した将来戦闘機のコンセプト動画では、戦闘機からの要請を受け、A400M輸送機から発進した前方偵察型とTALDのようなデコイ型、そして地上攻撃型の無人航空機が、戦闘機からの指令を受けて作戦を遂行しています。

 こうした例からも、防衛省のF-2後継機と連携する無人航空機においても、前方偵察機型だけではなく、デコイ型や攻撃型が開発される可能性もあると筆者(竹内修:軍事ジャーナリスト)には思われます。

この記事の画像をもっと見る(9枚)

【ミリタリー】国産戦闘機F-2、いま直面する後継機問題

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  2. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  3. 「知らなかった!」SNSで話題に 高速道路の“2つ並んだ赤い三角コーン”、実は超重要な「ある合図」だった! NEXCO公式が投稿
  4. 「断固たる措置を講じる」首都高公式ブチギレ! 「公平性を著しく損なう」非常識ドライバーに“鉄槌”…一体何が?
  5. ロシアのミサイル部品工場が「大炎上」 ウクライナ軍の航空機から発射した巡航ミサイルが「直撃」か
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号