F-2後継機、無人子機搭載でなにをさせる? 「より高度な管制下で無人機の運用」とは

2018年4月、空自F-2後継機に、政府は小型無人機を子機として搭載する能力を考えていると報じられました。子機を搭載して、どのようなことを可能にしようとしているのでしょうか。

日本政府、米英にF-2後継機要求性能を伝達か

 読売新聞は2018年4月21日、防衛省が今年の3月に、アメリカ、イギリスの両政府に対して、航空自衛隊のF-2後継機に要求される性能の一部を伝達したと報じました。

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防衛省が発表した「将来の戦闘機の研究開発ビジョン」に描かれた、将来戦闘機と無人機の連携コンセプト(画像:防衛省)。

 F-2後継機は開発コストの低減や開発期間を短縮するため、外国との共同開発も検討されています。今回の伝達は要求性能を伝えて、アメリカ、イギリスの両政府と2ヵ国の企業が、どのような形で対応できるかを確認するためのものですが、読売新聞はアメリカ、イギリスに伝達されたF-2戦闘機を後継する新戦闘機の要求性能の中に、「小型無人(航空)機を『子機』として搭載する」という項目があるとしています。

 戦闘機への無人航空機の搭載は過去にも例が無いわけではなく、アメリカとイスラエルは戦闘機から投下後にレーダーを欺瞞するチャフや、赤外線誘導型ミサイルを欺瞞するフレアを撒き散らしながら飛行するデコイ(囮)無人機のADM-141「TALD」を運用しています。また日本でも実用化には至りませんでしたが、防衛省がF-15に搭載する自律飛行型の写真偵察無人航空機「TACOM」の研究を行なっていました。

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F/A-18「ホーネット」戦闘機などに搭載可能な囮用無人機「TALD」(画像:アメリカ海軍)。

 TALDやTACOMは母機から投下後、事前にプログラムされた行動をとるというもので、母機からの管制(コントロール)は想定していません。一方、読売新聞が報じたところによれば、F-2後継機に搭載する小型無人航空機は、投下後も母機から管制を受けながらレーダーなどのセンサーで情報を収集し、その情報を母機へ送信する能力を持つ、TALDやTACOMに比べてより高度な航空機と想定されているようです。

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