空自F-2欠陥機論の顛末 大きく騒がれた主翼のヒビ、貧弱レーダーは結局どうなった?
洗い出された問題点は結局どうなった?
以上のように、F-2は開発段階から配備初期において大きな問題を複数抱えていたこと自体は、紛れもない事実です。
しかし主翼亀裂問題は実機に生じたものではありません。「全機強度試験機」とは、もともと壊れるまで負荷を与えることによって不具合を洗い出す「壊すために製造されたF-2」であり、亀裂の発生は役目をまっとうしたものと言えるでしょう。そして発生した亀裂自体もすぐにケアできる程度のものであり、94機が製造された量産機の主翼に同様の不具合は発生していません。
レーダーの諸問題も、その後J/APG-1は継続したソフトウェアのアップデートが行われ大幅に性能を向上させており、また現在ではより新しいJ/APG-2への換装が行われています。J/APG-2搭載機はレーダー視程が推定2倍近く改善され、当初使えなかった新しい99式空対空誘導弾(AAM-4)ミサイルの運用能力も獲得、もはや別の戦闘機と表現しても過言ではないほど大幅に性能を向上させています。初期の不具合は完全に過去のものとなりました。
F-2の開発費は約3200億円、機体単価は約120億円でした。これは当初予算の2倍にあたります。またスケジュールにおいては開発期間10年、1990年代半ばの実用化という目標を達成できず、2004年までずれ込みました。こうした事実がある以上、F-2開発計画がずさんであったという批難は免れられません。
しかしながら他国の戦闘機開発計画、例えばユーロファイター、ラファール、F-22といった機種においても予期しない問題の発生、スケジュール遅れ、生産コストや開発費の大幅超過は漏れなく発生しています。
こうした事情を鑑みれば、F-2における解決可能であった諸問題の発生、ないし解決された問題をもってして、F-2という機体自体を「欠陥機」と断じることは不適当であると言えるのではないでしょうか。
【了】
何だこの記事。散々書かれた内容だし、航空機マニアならF2が欠陥機って思ってない。
軋轢を生まない為の八面六臂な活躍
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主翼の亀裂問題への対策は、主翼の構造改善と共に飛行領域の制限も掛けたのではなかったか?
レーダーに関しては、戦闘機用としては世界で初めて実用化されたAESAレーダー(=開発が難航して当然。三菱電機が頑張った)である事も記載して欲しかった。
なんで今この記事?という感は強い。F35A導入の前、津波の前、導入数削減の前、に評論家さん達が主張してれば、量産効果で機体単価安くなってて、量産途中からの更新電子機器がlink16対応されてて、ブルーインパルスにも使われてて、津波かぶった機体は災害遺構として保存されてて、だったかもしれない。
清谷清一氏は「空自自身が欠陥機であることを認めた結果、調達を途中で打ち切った」と述べていらっしゃいますが、著者は、その意見について、どのようにお考えでしょうか。