空自F-2後継、YF-23はありやなしや F-22に本当は勝っていた? 幻のステルス戦闘機

それでもYF-23に再登板の目はないと結論づけられるワケ

 YF-23は高性能を実証しましたが、あくまでもそれ自体はATF計画において開発された「実証機」に過ぎません。一見未来的に見えるその機体も、実はその内部はF-15の前脚を流用していたり、F/A-18やF-16の油圧装置、果ては実用化されずに終わったF-20の発電機まで流用したりしており、数々の「臓器提供者」に支えられていました。これはYF-22も同じでありF-22として実用化された機体は別物です。

 そのためいまYF-23を持ち出してこれを原型にすることは、新しい機体を設計するのと同義です。YF-23をハイブリッド戦闘機の母体とするメリットは何もなく、実現する可能性は限りなくゼロと言って良いでしょう。

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推力偏向装置付きF119エンジン最大推力で急上昇するF-22。エンジンノズル周囲からYF-23とYF-22の思想の違いを見て取れる(関 賢太郎撮影)。

 現在ではアメリカのあとを追うように各国でもステルス機が開発されていますが、これらの機種はどちらかというとF-22に似ています。もしYF-23がF-23として実用化されていたならば、F-23似となっていたかもしれません。またF-23ハイブリッド戦闘機案の提案もあり得たでしょう。

 ほんのわずかな運命の違いで最強戦闘機になり損ねたYF-23は2機が製造されました。世界最大の航空博物館として知られるオハイオ州のアメリカ空軍博物館に1号機「スパイダー」が、そして2号機「グレイゴースト」はカリフォルニア州の西部航空博物館において翼を休めています。

 特に後者は日本人利用者の多いロサンゼルス国際空港から車やタクシーで20分程度の位置にあります。旅行かなにかのついでにアメリカへ行く機会があったならば、気軽に「あり得た最強戦闘機」を楽しみに行くのも一興なのではないでしょうか。

【了】

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コメント

4件のコメント

  1. さすがに20年以上前に機体を引っ張り出してもなぁ。

  2. 「勝負には勝っていたがロッキード社を救済するために敗北した」は、ノースロップの負け惜しみでは? いくらなんでも国防に関わる戦闘機をわざわざ性能の劣る方を選ぶとも思えないのだが。

  3. 国産熱望の人もいるかもしれんが、YF-23を原型にする方が絶対にいい。当然、ステルス機に必要な洗練された技術を持ってるのはアメリカだしね。もっとも、アメリカがOKと言うかは別の問題だが。

  4. ミサイルの性能が向上し、ほんとに機関砲不要となれば、YF23のステルス重視が主流となるかもしれない。F22だって格闘戦は最悪の選択で、方針は「相手が気づけない遠方から先にミサイルで相手を落とす」なのだから。
    ところで戦闘機のみならず、偵察機、電子戦機、awacs、爆撃機についても読みたい。