空自、空中給油機を調達の背景 それでも足りない? 現代航空戦で見直されるその価値

「補給なしでは誰も何もできない」

 F-35は情報収集能力やネットワークを活用した、情報共有能力に優れた戦闘機です。長時間空中待機し、ネットワークを経由し迅速に任務をこなす、こうした運用方法を行うことによってはじめてその能力を発揮できます。またF-2やF-15にもネットワークを組み込む近代化改修が行われており、有事の際には、要求される1回あたりの飛行時間はやはりかなり長くなってくるはずです。

 しかしそれは空中給油機があっての話です。無ければそれも不可能であり、20世紀的な戦い方しかできなくなります。

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嘉手納基地(沖縄県)にて「エレファント・ウォーク」を行う米空軍のKC-135空中給油機。空自戦闘機は彼らの支援に完全に依存することになるだろう(画像:アメリカ空軍)。

 アメリカ空軍空中給油機部隊にはこんなモットーがあります。

「俺ら無しでは誰も何もできない(Nobody Kicks Ass Without Tanker Gas)」

 アメリカは全世界の8割を占める約600機の空中給油機を保有しています。もちろんこれを日本と直接比較することはできないものの、あまりにも少なすぎる航空自衛隊の空中給油機保有数はもっと真剣に議論されてもよいのではないでしょうか。いま現在、航空自衛隊は「彼ら(米空軍空中給油機)無しでは誰も何もできない」状態なのですから。

【了】

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コメント

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5件のコメント

  1. バーンと12機くらいボーイング787発注するか、思いきってMRJを24機くらい発注して空中給油機に改造すれば良いと思う

  2. この人はただの軍オタなんですかね。イギリスのリビア空爆は、本国からの移動の際、フランスとスペインが上空通過を許可しなかったから大西洋~ジブラルタル経由で遠距離飛行したのが原因です。自衛隊のように自国の防空識別圏を出ることがない専守防衛と比べられても全く条件が違いすぎる。
    空中給油機は、上記のような遠距離の侵攻や空母発艦時の機体重量を軽くするために利用することが主な使われ方です。アメリカの言う「俺ら無しでは誰も何もできない(Nobody Kicks Ass Without Tanker Gas)」とはこうした海外などの遠隔地での作戦を指して言っていることであり、日本には当てはまりません。
    さらにいうなれば、本土上空が戦闘区域となる可能性がある日本では、空中給油機に対して護衛機をつける必要があり、そのような余分な航空機は自衛隊は現状ないと考えられます。

  3. ↑のaさんの言うように、どういう運用しようとしてるかが最重要だと思う。他国と比較するにしても、世界中に展開する特殊な米軍と比較してもしょうがないんで、せめてドイツとか、もちょっと「普通の国」との比較にしてもらわないと、私らシロートには多いか少ないかはわからん。

    戦闘機の滞空時間も大切だけど、海に囲まれた日本だと、対潜哨戒機に空中給油して滞空時間伸ばす事が重要なんではなかろうか? で、P-1に空中給油機能ついてたっけ? F35A相手だけの話で終わらせて欲しくないかな。

    なんか、見えてる面の少なそうな人の書いた記事の様に感じる。

  4. 空中給油機について足りないならばどの程度の機数が必要なのかについて言及して欲しいです。 空自の保有機をどういった作戦に就けるのか、運用方法を示さずに足りないと言われましても。

  5. イギリス軍のそのリビア空爆に行われていた6~8時間勤務というのは終結後の今でも日常的に実施されているのですか?