驚きの効率化を遂げた首都高の点検・補修技術 道路構造を「データ化」、走行中に点検も(写真22枚)

道路構造の三次元データ化で測量の手間「ほぼゼロ」に

 これらの車両は「走行しながら」点検できることなどから迅速化が図られ、交通規制が少なくなるというメリットもあります。なかでも、「MMS」を用いて道路構造を三次元的にデジタル化する取り組みは、現場の作業を大きく効率化させています。

 たとえば、異常を発見して補修を行う際には、その場所の図面資料を探し、現場を測量してから臨んでいました。それに際しても関係者との協議や交通規制が必要で、測量に1か月程度を要していたとのこと。

 道路構造の三次元データを活用したシステムによって、まず図面資料や点検履歴などの台帳データはすぐに閲覧できるようになり、現場に出向いての測量も不要に。関係者との関係者との協議用資料、補修構造物の設計図作成や、交通規制のシミュレーションも容易になったことで、これらにかかる手間が95%も効率化されたといいます。

「2016年から三次元データの計測を始め、約320kmある本線は100%完了しています。従来は規制するにしても夜しかできず、関係者との協議にも時間を要していましたが、これらの手間はほぼ『ゼロ』になりました」(首都高速道路 点検推進課 課長 高野 正克さん)

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点検車両の数々(2018年5月25日、中島洋平撮影)。
道路構造の「三次元点群データ」イメージ。
ハンマーによる打音検査を進化させた「AI打検システム」のデモ。産業技術総合研究所、首都高技術、NEXCO東日本東北支社、ネクスコ・エンジニアリング東北、テクニーが共同開発

 一方で、ハンマーで構造物をたたき、その音でコンクリート内部の異常を判別したり、鋼製の構造物にできた小さなひび割れを発見したりするなど、点検は人の耳や目、経験に頼る部分も大きいものです。これらを補助したり、より高精度に解析したりする技術も数多く披露されました。首都高速道路の高野さんは、「経験の少ない者でも点検を可能にし、技術者不足に対応します」と話します。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. ご立派な機材ですね、首都高の大雪で外注ダンプを用いて海に雪を廃棄しに行かせて延々と通行止めを継続する判断の甘さには泣かされましたが