特急はJRだけじゃない! 独自の運転網を築く「近鉄特急」の世界

忘れてならない観光特急

 さて、近鉄特急といえば、豊富な車両ラインナップも魅力。その代表格といえるのが、観光特急「しまかぜ」です。大阪・名古屋・京都と伊勢志摩エリアを結ぶ列車で、車内は全席が“プレミアム”。本革製のシートは電動リクライニングやレッグレストに加え、空気圧を使ったマッサージ機能まで備えています。また、ソファタイプの洋風個室や、靴を脱いでくつろげる和風個室、セミコンパートメントのサロン席など、人数やシチュエーションに合わせて様々なくつろぎ方ができます。

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観光特急「しまかぜ」。志摩のさわやかな風をイメージした塗装が涼やかだ(伊原 薫撮影)。
「しまかぜ」のシート。本革製で、電動リクライニングやレッグレストなどを備える(伊原 薫撮影)。
靴を脱いでくつろげる「しまかぜ」の和風個室(伊原 薫撮影)。

 2階建ての「カフェ車両」では、沿線の食材を使った軽食やスイーツが味わえるなど、乗ること自体が旅の楽しみになるような列車となっています。デビュー(2013年)から5年が経過したにもかかわらず、その人気は衰え知らず。いまでも高い乗車率を誇っているのも納得です。

 そしてもうひとつ、2016年9月に登場した観光特急「青の交響曲(シンフォニー)」も忘れてはなりません。大阪阿部野橋~吉野間で運行されているこの列車は、「上質な大人旅」がコンセプト。濃紺のメタリック塗装に金色の帯やエンブレムをまとった外観、応接室のソファのようなどっしりとした座席、照度を落としたダウンライトの照明など、“重厚”という言葉がぴったりです。

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大阪阿部野橋~吉野間を走る「青の交響曲(シンフォニー)」。高級感漂う塗装が特徴(伊原 薫撮影)。
「青のシンフォニー」車内。応接室のような重厚な雰囲気だ(伊原 薫撮影)。
「青のシンフォニー」2号車のラウンジ。高さを抑えた側窓が特徴(伊原 薫撮影)。

 床には丹後緞通(だんつう)の分厚いカーペット、ひじ掛けなどには吉野産の竹が使われています。また中間のラウンジカーは、鉄道車両としては珍しい横長の窓を採用。ホテルのラウンジのような落ち着いた雰囲気としつつ、車窓に広がる吉野の緑も楽しめるようになっています。まるで鉄道車両であることを忘れてしまうような、独特の空間が多くの乗客を魅了し続けています。

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コメント

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1件のコメント

  1. 近鉄特急はなかなかセンスが良くて快適。
    ビスタカーは現在少なくなった。
    あれの2階席は車輪の騒音が少なくて静かだし、階下席は、ホームすれすれの目の高さなので、男性には大変目の保養になると評判の席でした。今は団体客専用になっておりますね。
    何故かはなんとなく想像がつきます。