現代の「旗艦」とは? 米第7艦隊旗艦にして最古参「ブルーリッジ」に見るその実情

「フラグシップモデル」「旗艦店」といった表現の基となっている「旗艦」ですが、2018年現在、およそそれらのイメージとはかけ離れたものといえるでしょう。日本にも縁深い、米海軍第7艦隊旗艦「ブルーリッジ」を例にその実情を解説します。

「ブルーリッジ」の特徴 第7艦隊を支える頭脳

「ブルーリッジ」は全長190m、幅32mで、約600名の乗員によって運用されています。またこのほかに、第7艦隊を指揮するための要員や海兵隊員なども一緒に乗艦しています。

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「ブルーリッジ」は艦齢40年を越える米海軍最古参艦。2018年1月には大規模な近代化改修が完了した。写真は改修前、2016年4月撮影のもの(画像:アメリカ海軍)。

 武装は限定的で、接近するミサイルなどを近距離で迎撃するための近接防御火器(CIWS)に加え、小型舟艇などを攻撃する機関銃などが装備されているのみです。船の外観は非常に特徴的で、真っ平らな甲板上には球状のレドームに覆われた各種通信装置以外にほとんど構造物が見当たりません。これは「ブルーリッジ」の、指揮統制を行うために必要な通信装置が、ほかの構造物によって電波干渉を受けてしまうことを避けるための設計で、これによって「ブルーリッジ」は、自らの通信能力を最大限発揮することができます。それら通信装置、さらに艦内に分散配置されている最新鋭のコンピュータや情報処理システムによって、世界中でアメリカ軍が収集した情報データや、商用、軍事衛星の収集したデータを受け取とり、艦内にある大型モニターなどへ映し出すことができます。これにより、乗艦している第7艦隊司令官や司令部要員が、いま現在第7艦隊が活動している地域の空中、地上、水上、水中で何が起こっているかを正確に把握することができ、そして第7艦隊に所属する各艦艇や航空機がどう行動すべきかを、司令部が客観的に判断することができるのです。

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東日本大震災の際、「ブルーリッジ」はシンガポールに寄港中で、その平らな甲板に物資を山積みにして日本へ急行したという(画像:アメリカ海軍)。

 また、「ブルーリッジ」には衛星通信によって遠く離れた場所にある司令部などとテレビ会議を行うことが可能で、たとえばハワイにある太平洋軍司令部ともリアルタイムで会議を行うことができます。さらに「ブルーリッジ」は2018年1月、実に19か月にもおよぶ大規模改修を終え、このあいだに船体の改修やシステムの近代化などが行われ、今後さらなる活躍が期待されます。

 過去の旗艦では艦隊を指揮するための通信機能が重視されましたが、その後時代の変化にあわせて司令部要員の居住スペースなども必要となり、情報の収集や整理を行う能力も必要となっていきました。「ブルーリッジ」はそれらの機能をすべて備えた、まさに理想的な艦艇といえます。

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