空を飛び、海を泳いで、地を走る 陸海空制覇しちゃった仏製装輪装甲車、ERC-90とは?

迅速さと使い勝手の良さがウリの陸自最新装備「16式機動戦闘車」ですが、世界には同じようなコンセプトの装備がすでにあり、さらには水に浮いたり空を飛んだりすることまで可能でした。

16式よりもバツグンの戦略機動性を持つ装輪戦車

 陸上自衛隊の最新装備、16式機動戦闘車(以後「16式」)の配備・運用が本格的に開始され、2018年4月以降、各地の駐屯地記念行事で披露されるようになりました。昨年まではまだプレ運用だったため、走行展示や装備品展示に限定されていたのに対し、今年は観閲行進だけでなく戦闘訓練展示にも参加し、空包射撃を行っています。

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水上浮航能力をもちパラシュート降下も可能な、陸海空で活躍の場を選ばないERC-90。(画像:フランス国防省)。

 そして今年の富士総合火力演習で初めて実弾射撃も実施するとの噂で、次世代の陸自の代名詞的存在として活躍が期待されています。

 この16式は、高速道路を最高速度100km/hで自走することが可能なほか、C-2輸送機でも空輸可能であり、これらを総合して「高い戦略機動性を有している」と称されますが、世界に目を向けると16式を上回る機動性を有する装輪戦車が存在します。それがフランス生まれの装輪戦闘車両ERC-90なのです。

 16式以上の機動性、とはいっても、本車の最高速度は95km/hと16式に劣ります。それでは何故に16式よりも戦略機動性が優れているかといいますと、パラシュート降下可能で、水上浮航能力も有しているからです。

 ERC-90の最大の特徴は、長砲身90mm砲という大口径砲を搭載するにもかかわらず8.3tと大幅に軽いのが特徴です。またサイズも全長7.7m、全幅2.5m、全高2.25mとコンパクトなため、C-2よりも小さなC-130輸送機にも積載可能です。

 小型なため乗員は車長・砲手・操縦手の3名ですが、近年の装甲戦闘車両には必須のNBC(核・生物・化学の各兵器)防護装置も装備し、必要充分の性能は有しています。なお名称の「ERC」とは、「Engin de Reconnaissance Canon(カノン砲搭載型偵察車両)」の頭文字を採ったものです。

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コメント

2件のコメント

  1. NBC(核・生物・化学の各兵器)防護装置は近年どころか作った頃から必須だったのでは?
    ただしあの時代は確か与圧式で車輌全体を防護するのが、今の流行は個人の防護服にフィルターを介して空気を取り込むのじゃなかったけ?

  2. >自衛隊も高性能な装輪戦闘車両とは真逆の、簡便だけど使いやすい戦闘車両というものも検討してみる価値はあるのではないでしょうか。

    的外れな気がします。
    16式は、コストの高い戦車の代わりに、一時的(時間稼ぎ)に対戦車用に使おうというのが目的なので、90mm砲という攻撃力の弱いこれでは、目的が果たせません。
    補給等はどうするのでしょうか。例えば一番重要な砲弾。
    16式は74式が流用できるように105mm砲です。これのために90mmを用意させるつもりでしょうか。
    また、フランス製ですので、このためにエンジン等の点検器具等を用意する必要もあるでしょう。
    水上浮航能力も、道路状況が良い日本国内で使う分には余計な機能です。
    同様に、空輸も重要視する必要は感じられません。