空を飛び、海を泳いで、地を走る 陸海空制覇しちゃった仏製装輪装甲車、ERC-90とは?
その使いみちは?
また戦略機動性の高さから海外派遣任務にも適しています。航空機(ヘリ含む)や輸送艦で運びやすいため、海外派遣任務や在外邦人の救出任務などでアフリカや中東の紛争地帯などにたびたび派遣されています。
人員輸送ができない本車が何に役立つのかと疑問をもたれるかもしれませんが、大口径砲装備の戦闘車両というのは威圧感が圧倒的に大きく、威嚇に優れています。実際に撃たなくてもゲリラや暴徒に睨みを利かせる心理的圧力があり、そうした観点から大使館や宿営地に展開し砲台として用いる他、邦人輸送の車列(コンボイ)の前後に配置して警護車両として使用するなど用途は様々あります。
戦車の代わりとして使おうとするなら陸上自衛隊の16式機動戦闘車に劣るものの、火力支援用として捉えるなら遜色ないといえるでしょう。
実際、フランスは湾岸戦争のような正規戦から、ユーゴ紛争のような国際貢献任務、そしてコートジボアール内戦での自国人保護並びに平和維持任務などにERC-90を投入してきました。それだけ本車が即応性に優れているからです。
ERC-90は高性能な射撃統制装置は装備しないため、16式のような行進間射撃はできませんが、それを補って余りあるだけのメリットを有しています。性能的には決して突き出たところはないものの、使いやすい兵器といえる戦闘車両なのかもしれません。
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Writer: 柘植優介(月刊PANZER編集長)
創刊40年以上を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)の編集人。子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。
NBC(核・生物・化学の各兵器)防護装置は近年どころか作った頃から必須だったのでは?
ただしあの時代は確か与圧式で車輌全体を防護するのが、今の流行は個人の防護服にフィルターを介して空気を取り込むのじゃなかったけ?
>自衛隊も高性能な装輪戦闘車両とは真逆の、簡便だけど使いやすい戦闘車両というものも検討してみる価値はあるのではないでしょうか。
的外れな気がします。
16式は、コストの高い戦車の代わりに、一時的(時間稼ぎ)に対戦車用に使おうというのが目的なので、90mm砲という攻撃力の弱いこれでは、目的が果たせません。
補給等はどうするのでしょうか。例えば一番重要な砲弾。
16式は74式が流用できるように105mm砲です。これのために90mmを用意させるつもりでしょうか。
また、フランス製ですので、このためにエンジン等の点検器具等を用意する必要もあるでしょう。
水上浮航能力も、道路状況が良い日本国内で使う分には余計な機能です。
同様に、空輸も重要視する必要は感じられません。