87式偵察警戒車と「威力偵察」 危険な重要任務はどのように遂行されるのか?

敵の攻撃を引き出す危険な任務

 偵察は大きく分けて2種類の偵察方法が存在します。こちらの気配を隠しつつ、敵に接近して情報を探る「隠密偵察」と、こちらから積極的に攻撃を加えて、相手の反撃の規模から敵の情報を得る「威力偵察」です。

 87式偵察警戒車はその場に留まって周囲を警戒する定点観測にも使えますが、最も活躍するのは威力偵察だといわれます。

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高い機動性と手動照準の熟練の技が光る(矢作真弓撮影)。

 威力偵察の手順の一例を紹介しましょう。

 敵陣地の解明を命ぜられた偵察隊は、まず偵察オート部隊を派遣します。高い機動性を活かして敵陣地に近づく偵察オートですが、ある程度まで敵に近づくと敵の攻撃を受けます。敵からの攻撃を受けた場所を記録して、偵察本部へその情報を送ります。そこから先は87式偵察警戒車の出番となります。装甲化された車体は、敵の小銃弾程度の攻撃であれば跳ね返しながら前進することができます。敵の射撃陣地の位置を確認したら、その場所に向けて25mm機関砲を射撃し、更に前進して敵の反撃具合を調べます。

 ちなみに、北海道の第7師団ではこの威力偵察に90式戦車も加入するので、とても強力な偵察活動になるといいます。

 この威力偵察ですが、偵察という名の強行攻撃ともいわれる場合があります。ドンドン攻撃を加えて、敵の戦力を解明する。87式偵察警戒車は、その威力偵察を実現させるために大いに役に立っているそうです。

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コメント

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3件のコメント

  1. 87式と違って、サイズの面で16式はあまり自由に公道走れそうにないのがなー。

  2. 2018年の記事に今更言うのもなんだけど、1p目の後半「そのため開発経費を抑えることに成功たそうです。」ってここ誤字ってないか

    • ご指摘ありがとうございます。訂正いたしました。