今なお人気、バブル期の「パイクカー」とは 「レトロ」はますます贅沢に

技術的にもハードルが上がったパイクカー作り 今後はどうなる?

 光岡自動車によると、このようなパイクカーの製作は技術的にもハードルが高くなってきたといいます。

「日産さんがパイクカーを出していたころと現在とで、車両の保安基準も大きく異なります。前照灯ひとつとっても、光の照射角度や距離などが厳しく規定されていますし、車両外部の突起については、何度以上の鋭角になってはならないといった基準があり、極力角を丸くしなければなりません。レトロとは真逆の制約があるなかでデザインする必要があるのです」(光岡自動車)。

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光岡「ビュート なでしこ」。「ビュート」は日産「マーチ」をベースとした、同社における基本車種のひとつ(画像:光岡自動車)。
光岡「ヒミコ」。マツダ「ロードスター」がベース(画像:光岡自動車)。
光岡「ガリュー」。ベース車は日産「クルー」「セドリック」「フーガ」と変遷し、現在は「ティアナ」となっている(画像:光岡自動車)。

 ちなみに、前出のオレンジロードによると、日産パイクカーのなかでも「フィガロ」は、日本よりもイギリスのほうが熱心なオーナーが多いといいます。「コンディションのよい『フィガロ』はイギリスに渡っているでしょう」とのこと。

「イギリスは、たとえば古いクルマは税金が免除(1973年以前のもの)されるなど、古いクルマを大切にしようという文化があるのですが、日本は政府の方向性として『古いクルマを捨て新しいものに乗り替えよう』です。日本では、古いクルマを所有するのはお金のかかる道楽になってしまいがちです」(オレンジロード)

 光岡自動車も海外に展開していますが、「自動車産業が成熟したヨーロッパが中心です」とのこと。「アジアでは『同じお金をかけるならば最先端のものを』という傾向があり、クラシックなものが受け入れられず中国などからは撤退しています」といいます。

【了】

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コメント

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3件のコメント

  1. 初代クラウン擬きのオリジンもコテコテなプログレでしたからね。
    乗ると元車の下味が丸出しなんですよ
    悪く言ってしまえばマイクロバスを幼児が喜ぶような動物の顔や新幹線の顔に改造する魔改造のようなものですからね
    バブル期とは言え別型式としつ開発するほどの空きは無かったと言うことでしょう
    今でも同じプラットフォームを多種に用いるのは常なのですがね

  2. 新ジムニーのラダーフレームにパイクな車体だけ搭載する、とか。

    • フレームに車体を乗せる方式のほうが上物に架装するときの法令上の手続きが簡単なんですけどね
      これがモノコックだと軽くドア一つ架装するだけで一括の車枠の強度と言う話で改造申請が必要であったり各種優遇税制が変わったりとか?
      TOYOTAのコースターなんてフレームに車体を載せてるトラックがバスに化けた作りだからバスでも車体の形状はキャブオーバーだし
      日本の審査、検査、保安の規準なんて何が基準だか全く意味不明ですよ