自衛隊のクリエイター集団、教材整備隊とは? 航空機模型も完全自作、担うは教育支援(写真24枚)
原寸大ミサイルやコックピットも
このソリッドモデルは樹脂で作られているため、2kg以上の重量になると、経年と共に自重で壊れてしまうそうです。そのため、大型の模型を作る際には、木材が材料として使用されます。木材を使用すれば、実質、原寸大の模型も作ることが可能だといいます。
これらの模型への塗装は、まさに職人技です。非常に慣れた手つきでマスキングテープを貼りつけ、塗装を施していきます。その手の動きを見ているだけで時間を忘れてしまうほど、スムーズで無駄の無い作業を繰り返していたのが印象的でした。
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別室では、ミサイルの原寸大模型を作製している部署もあれば、溶接機を使用して、パイロットの初期の教育で使用されるコクピットトレーナーを作製している部署もあります。このコクピットトレーナーやミサイルの模型は、当然のことながら市販されていませんので、すべて自分たちでゼロから作り上げます。コクピットトレーナーの内部に配置される各種の計器も、実機と同じ大きさで同じ配置にする必要があるため、部隊に出向いて実際に戦闘機に乗り込んで、必要な写真を撮影してくることもあるそうです。
航空自衛隊に関連した仕事をしたことのある人であれば、一度は耳にしたことのあるであろう教材整備隊。彼らの活躍があるからこそ、いまの航空自衛隊があるといっても過言ではないでしょう。
【了】
Writer: 武若雅哉(軍事フォトライター)
2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。
毎回、興味深い写真記事ですね。
教材整備隊の方と実機で陪席してみたい