陸自の「グラウンド整備」がスゴい! みるみる綺麗になる総火演会場ビフォーアフター

総火演では普通のクルマよりはるかに重い車両が、土の上で激しい機動を見せます。もちろん地面は荒れますが、本番前や演習の合間には実に美しく整えられます。その一部始終を動画で眺めます。

散水は大事、とても大事

 この「散水」というのも大事な工程です。たとえば会場において、ヘリコプターのダウンウォッシュ(吹きおろし)による土ぼこりは少しばかり見て取れるものなのですが、「少しばかり」というのはあらかじめしっかり散水されているうえでのことです。逆に言えば、相当量の散水がなされ、かつ雨が降っているなかでも、「少しばかり」レベルで土ぼこりを巻き上げるわけですから、もし乾燥している場合にどうなるかは想像に難くありません。なお、会場で作業にあたる散水車の大多数は、民間業者のレンタカーです。

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こちらの散水車は民間業者のレンタカー。もちろん陸自の散水車も作業にあたっていた(2018年8月23日、乗りものニュース編集部撮影)。
比較的乾いた部分の、ダウンウォッシュによる土ぼこりの様子(2018年8月23日、乗りものニュース編集部撮影)。
しっかりと散水された部分の、ダウンウォッシュによる土ぼこりの様子。さらに雨量が増えると水煙くらいしか舞い上がらなくなる(2018年8月23日、関 賢太郎撮影)。

 演習は前段と後段の2部構成で、そのあいだの15分間にも整地は行われます。限られたわずかな時間に、本番直前と見劣りしないレベルにまで美しく整えられます。

 震災後の道路などで、自衛隊の復旧工事の作業の速さが話題になったこともあります。総火演の整地で見せるこれほどの手際の良さ、さぞ普段から訓練を積んだ名のある部隊なのではと思いきや、「特定の役割をこなす部隊ではありません」(航空軍事評論家 関 賢太郎さん)といいます。

「散水車やグレーダーのドライバーは、総火演にあわせて近隣の駐屯地から集められた自衛官らが担っており、その所属も様々です」(航空軍事評論家 関 賢太郎さん)

 ちなみに、2018年8月23日(木)の「学校予行」は悪天候に見舞われたのですが、雨の降るなかも、散水はしっかりと行われていました。

【了】

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