陸自の「グラウンド整備」がスゴい! みるみる綺麗になる総火演会場ビフォーアフター
総火演では普通のクルマよりはるかに重い車両が、土の上で激しい機動を見せます。もちろん地面は荒れますが、本番前や演習の合間には実に美しく整えられます。その一部始終を動画で眺めます。
実はもっとも「出番」の長い車両たち
「総火演」こと陸上自衛隊の「富士総合火力演習」において、もっとも観客の目に触れる時間の長い車両はなんでしょうか。
2018年の総火演では、16式機動戦闘車が走って撃ってとずいぶん活躍しましたが、それよりもはるかに長い時間、観覧席の目の前に留まっていた車両があります。それは会場を整地する、「施設器材」に分類される車両たちです。
総火演には、一般的な乗用車などよりもはるかに重い車両がたくさん参加します。たとえば陸上自衛隊の戦車のなかでも重いほうの90式戦車は、人員や燃料など規定の搭載物をフルに搭載した状態(全備重量)でおよそ50tに及びます。この足下を支えるのが履帯(いわゆるキャタピラー)で、履帯で走る車両を「装軌車両」といいますが(対して、車輪で走る車両を「装輪車両」と呼ぶ)、接地面積が大きく地面に沈み込みにくい装軌車両でも、車両そのものの重さにより、激しい機動をする際には地面を大きくえぐっていく様がしばしば見られます。
これらは、演習中はもちろんのこと、演習が始まる前の試射の時間帯においても同じことがいえます。演習開始は午前10時からなのですが、入場が開始される早朝の時間帯から、ビデオ放映や音楽隊の演奏が披露される午前8時ごろまで、多くの装備が本番さながらの射撃や機動を見せるのです。
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そして午前8時になると、ビデオ放映が開始されるかたわら、フィールドに入ってくるのが整地を担当する「施設器材」の面々です。ダンプトラックが土を運び、グレーダーやブルドーザーがならしていったあとを、ローラーが平らに固め、そこへ散水車の車列が水を撒いていきます。およそ2時間弱かけてフィールドの隅々までを美しく仕上げ、本番の舞台を整えるのです。
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